第24話 大病院にて

文字数 960文字

 今日は半年に一度の検診日です。診察は10時半ですが、その前に血液・尿・CT検査を終えなければいけません。自宅から車で20分強はかかる道のり。朝のラッシュも考慮して7時10分に家を出ました。

 病院に到着したのは、8時前。受付は8時から。受付機の前には早い時間から列ができる……のがいつもの光景だった。ところが、この半年で様相が少し変わったみたいだ。受付機の前に行けない。病院の入口から30人ほどが建物の中で並んでいた。それ以降の人は入口に入れず、外で並んでいた。およそ4〜50人ほど。中と合わせても100人弱がすでに待機だ。ここは街中の総合病院。数日前から季節が一気に進み、外での待機は寒かった。私のような検診ではなく、体調が悪くて来ている人もいるだろうに、みなさんおとなしく受付開始を待っていた。

 8時になり長蛇の列が動き出した。初診の人が少ないのか受付機はスムーズに進んだ。それから先は、どの検査も10分と待たずに済ませることができ不満無し。時計を見ると9時15分。まだ予約時間まで1時間以上ある。100人ほど座れる待合室で1時間以上も待つのは、このご時世、はばかられる。朝ごはんを抜いていたので、院内にあるコンビニでサンドイッチとコーヒーを買い、車の中で食べながら待つことにした。寒くなったとはいえ、まだまだ車の中は快適だ。

 病院の駐車場は建物の両脇にある。私が停めたのは建物に一番近い場所。早い時間に来ているから当然なのだが、この便利な場所は既に満車に。だが車が何台か待っていた。空いている遠くの場所に停めるよりも、待ってでも近くに入れたいようだ。1台出たらバーが上がって1台入る。そんな様子を眺めながら、サンドイッチを頬張っていた。私が停めた位置はバーの近く。バーの手前で待つ運転手の視線が少し痛い。

『私はまだ、診察前。待っているのよ。待合室が密だからここにいるだけ。まだ出ないからね』

そう視線を送ったところで理解されたかどうかは定かではない。意地悪で車に乗っていたわけではないが、なぜか恐縮してしまうのは小心者だからかな。ついつい自己分析してしまう私だった。

 今日は検査がスムーズに出来たこともあって、診察も時間通りでした。それにしても、これからどんどん寒くなるのに、外で待つのはいかがなものかと思いました。


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