第6話 なんとかならんか

文字数 923文字

 緊急事態宣言解除の日からまだ浅いのに、ランチのお誘いが2件入りました。幸せなことです。友人たちよ、ありがとう。でも待てよ、着る物あったかな?(汗)

 待ってましたとばかりに、連絡がきた。若いころの私はどちらかと言えばお誘いする側だった。そして店の予約から何から段取りをした。理由は一つ。自分が行きたい店、食べたい物が優先できたからだ。だが、それもだんだん面倒になり、ついには誘われる側にまわった。

 誘われる側なのだから、言われた通りに現地へ赴けばいい。そう思っているが、そうもいかないのが長年お付き合いしている人たちとのランチ。今回はこうだ。仲良し4人のうちの1人から

「ランチしましょう」とお誘いが来るまでは良かった。そのあと

「お店、よく知らないので、教えてくださいねー」と私を含めた3人にきた。

 私だって知らん。ましてやコロナ禍で街に出てランチなんて2年近く行ってない。あとの2人だって同様のはず。そう、みんな知らない。日にちのカウントダウンだけが始まる。お誘いから1週間。誰も何も連絡しない。もう、わかっている。私が調べるであろうと思われていること。過去の業績は私にとって自分の首を絞める大罪となった。

 私だって、セッティングされた店に行くだけのランチがしたい。それなのに、誰も探す素振りが感じられないのは、私のひがみか?結局私が調べた店の中から選ばれ、誘ってくれた幹事が予約を入れた。会えば楽しく話が弾む。でも、私の中にいつも小さな小さな棘が刺さるのだ。

 別の事例をもう一つ。ある日、別のグループでピザ屋へ行った。ピザはもちろんパスタも大皿で来て取り分けが必要だった。誰も取り分けに手を出さない。「私、上手く分けられないし」と口々に言う。だから、しばらくピザ屋のサーブは私が先陣を切った。私はこう考える。『気心知れた人が相手なら、多少のことは許されるし、何よりこんな練習の機会を逃したらもったいないじゃん』て。あなたは、どう思う?

 その後、ピザ屋では私がする私がするとサーブの取り合いになるほどでした。歳を重ねたらますます手を出し難いことってあると思うんです。自分が若いと思っていらっしゃるなら、恥をかけるのは、今のうちだと思ってほしいな。
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