第5話 突然のお遍路

文字数 804文字

 ウチの夫は、往々にしてギリギリまで自分の予定を言いません。まあ、私も聞かないんだけど。定年した夫を持つアラ還妻のみなさんは、相手の予定、気になりますか?

 夏真っ盛りのころ
「四国のお遍路に誘われたんだけど、行く?」と聞かれたことがあった。
「いつ?」と私。
「秋になったら。10日間くらいで」と夫。

 定年退職後の足腰丈夫なうちにお遍路するのは、わりと聞く話だ。とは言え、10日間も同じ部屋で寝泊まりすることを思うと、少し萎える。なぜなら、今は寝室を別にしてお気楽に寝ているからだ。それは夫も同じだろう。誘ってくれたのは夫の従兄弟。夫より年上で70に手が届いたお(とし)。そりゃあ早く行きたかろう。夫の定年を待ってくれていたのかもしれない。そして一昨日。

「来週から、お遍路に行ってくる」

?随分、急だね。私も行くんだよね?」

「いや、行かなくていい。従兄弟と2人で行くから」

 ちょっとちょっと、そんなに急に宿が取れるわけじゃなし、もっと前に分かってたんじゃないの?言ってくれればいいのに……いつかの投稿にも書いたことがあったが、ウチの夫婦は会話が少ない。銀婚式もとうに越えたら、こうなってた。世間様からすると、この現象は『冷めている』と認識されてても否定はできない。だが、気楽なのだよ、この距離と空気感が。少なくとも私は気に入ってる。若い人には理解できないかもね。

 お遍路。実は本家本元の四国ではないが、私は経験している。もう3年ほど前になるか。幼馴染が誘ってくれた。すでに何回か行っているので、道も寺の場所も分かると言う。『あなた、そんなに信仰心あったっけ?』と心で問うてみた。どうやら、お遍路ツアーなるものに誘われたのがきっかけでハマられたようだ。このときは、1年間かけて周った、車で(笑)

 久しぶりの1人生活です。あーワクワクする〜。100パーセント自由な時間を無駄にしないように私も予定を立てよーっと‼︎


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