第51話 身内話・その1

文字数 947文字

 従兄弟や従姉妹、いますか?私は父方に男4人、母方に女2人男2人います。昨日、もう何年も会っていなかった母方の従兄弟に会いました。

 きっかけは、従兄弟の父親である叔父の供養。一昨年亡くなったのだが、コロナ禍で葬儀にも出席できなかったので、それで。母を車に乗せ、30分ほどの道のり。もう30年以上前のことだが、従兄弟の家にはよく遊びに行った。行く道はいくつかあるが、今回は久しぶりに30年前によく使っていた道で。区画整理や道路の拡張、記憶の曖昧さなどで不安もあったがGO!

 もちろんナビも使った。だが、不思議だ。走っているうちに記憶が蘇ってきた。頭が覚えているのか、ハンドルが覚えているのか。道も景色もほとんど昔のまま。運転をしない母でさえ「懐かしい」と車窓を楽しんでいた。この道を選んで良かった。

 従兄弟の家の周りは、何処そこの社長さんのお宅と言われる家が多い。幼いころ、そんな環境など知る由もなく、ただ遊びに行っていたが、大人の今は『固定資産税、大変だろうな……』と思わずにはいられなかった。御多分に洩れず、従兄弟の祖父は会社の会長までいった人。当時は住むに値するか。3代目の従兄弟は、ごく普通のサラリーマン。懐具合を聞くようなことはできないが、すごく気になった。

 家屋は昔の外観のままで、懐かしさ炸裂だ。玄関にあったアップライトのピアノは無くなっていた。黒光りの廊下を少し歩くと二間続きの和室がある。奥の和室がリビング代わり。2畳ほどの床の間があり、昔は客間だったと教えてくれる。その右手に、今回の目的である仏壇がある。用意した供養花とお供物を置き、母が般若心経を唱えようとしたら……

「ま、か、……、???」

 毎朝、毎晩唱えている般若心経を出だしから忘れたようで、モゴモゴしていた。おいおい、大丈夫?私も言えるので、一緒に唱えた。母は私の前では何でもできると豪傑な態度をとるが、本当は、あがり症で人前では私を盾にして隠れる、超内弁慶。近ごろ、その傾向がますます強くなり、私は無駄に怒りを覚える。お経が済むと、我に帰ったように調子のいいことを言っていた母。言わせておくのも親孝行か?心の狭い私は、いつもザラザラする。

 今日は従兄弟との様子を1ミリも書かずに終わってしまいました。明日書きます。
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