第80話 教え

文字数 381文字

白。
と、広報しておいて、実は、
正解は、黒。
という様に、
中央の権力に擦り寄って来た者にだけ、答えを流す。
情報に、濡れ手に粟や、棚からボタ餅や、
楽な仕事や名誉や年金等の御土産を付けて。
そうやって、手懐けた民を、
更に次々に希少情報を捏ち上げては、統率し、支配していく。
自分たちに媚びて来ない者は、徹底的に情報から排除して顧みない。

そういう手法を磨きながら、
役所が高層のビルを税金で建て、そこに堂々と移り始めて、
そこに働くエリートを自認する者達の自尊心が、どれほど満足させられたことだろう。
そしてそのころから、國や自治体の様子がはっきりと可怪しくなっていった。
それが分かっても、何の保証もなく、黙って決められた税を収めるだけの
民間の者は、勿論何も出来ない。

然し、そういう、物理的な高層階から満足そうに見下ろしている者たちを
静かに其の上から眺め下ろす
教えは開示されている。
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