第19話 老人

文字数 312文字

 子供が大人になる様に、人は老人になるものだろう。
 苦労して得た年金の権利を抱えて、大人しくしているのが利口なのは分かるが、年寄になっても世の中に対する役割や責任はあるものだろう。

 以前は街のあちこちに銭湯があって、其処には他所の子どもでも平気で叱る年寄りがいた。
 子どもはそこで自分がいる世界の有り様を学んだ。
 今は親が敷いたレールに乗って受験テクニックだけを身に着け、誰かが作った高ランクの学校に入って見せて、優秀だと褒められてその気になったお猿さんがそこら中の組織を運営するものだから、こんな世の中に成ってしまった。
 猿の社会には責任などないから気楽でいいが、此処は本来何だったかを考えると、なんとも情けない話である。
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