第72話 出埃及

文字数 343文字

二代目三代目と云うと、出来の悪いボンボンが親の七光りで食べているイメージがある。
事実、他に才能が無いから、親の敷いたレールに乗って唯々諾々と生きている訳だ。
しかしこれが、四代目五代目になってくると、同じ無能でも古色が付いて、なんとなく権威有りげに見えてくる。
勿論其処が彼等の狙い目で、西欧の王族、貴族とはこれを更に何代も重ねて出来た者たちだ。
一般人が立入れないウィナーズサークル等で、一族がにこやかに記念写真を撮っているのを遠くから眺めていると、人間の世界というものはこういうものかと自然に思えてくる。
何十回かの平凡な繰り返しが、説得力を持ったわけである。

世界とはそうしたものだ、と提示されて
何 寝言を言ってんだ、と人々が考えられるようになるには、
新しいモーセの出現を 待たねばならない
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