第96話 蠱毒

文字数 214文字

目の前には、冷厳な現実が投げ出されているが
瞼を閉じることも
目を逸らすことも
誰かと個室に逃げ込んで、
甘だるい夜に没れてしまうこともできる。

真実を知りたくない者を集めて
虚栄の街を運営する事は、難しいことじゃない。
資本もノーハウも既に十分揃っている。

薬と毒の境目は無い
それはコインの裏と表で、
裏の無い表など無い

真剣に自分一人をかまってくれるなら
それが巫山戯た詐欺師であっても
それを受け入れる者もいる

それほど人は
此の宇宙に在って、孤独だ
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