第137話 古典

文字数 265文字

十代の頃のように、夢中になって活字を追う
という事が無くなった。
あの頃は、何時間でも物語の世界に没頭できた。
読み終わって、本を置いても、ボーッとして
本の世界から離れられない事があった。
今は集中しないと、活字の世界に入れない。

言葉が軽くなった。
現実世界には明らかな嘘が溢れ、
現実から切り離された、意味を持たない言葉が
公共の場で吐き捨てられて、物事が進められていく。
お前らには、是で充分だ、というように。
言葉を手繰り寄せても徒労と判っているから、もうしない。

今読むものは、西欧の古典だけである。
筆者の中では、現実世界は粗、終わっている。
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