第129話 幻

文字数 605文字

自分のプロモーションしか頭にない親の下で
入園前から受験テクニックを磨くだけの毎日を過ごして来た者が
使い勝手が良いからといって採用された職場で
肩書きだけを生き甲斐にして生きているのだから
国民という他人の声を聞くとか
苦しむ者に共感し、寄り添うなどということが
出来る筈はない。

式や記号を暗記して、選考を通り、
地位を得て、賢そうに振る舞う術は身に着けても、
その意味を解ってはいない。
親から本当の愛情を受けずに、ただの暗記マシーンに成ることを強制された不安から、
精神的に縋りつけるものを求めてカルトに吸い込まれる者は、
昔から最高学府にも大勢いた。
そして今の世の此の惨状がある。

此の惨状を眺めていると、ギリシャ、ローマの歴史がよく分かる。
民主政はどのようにして失敗したか。
国が弱体化し、異民族の侵入を受けてどのように亡んだか、
映画を見るようにして、理解出来る。

こんな事になっても、大方の者はそれでも政治に無関心で、
洗脳された者を動員した選挙と
洗脳されたメディアの報道で、でっち上げた政府の
退屈な芝居にまだ付き合わされる事になる。

与えられたナラティブを冷厳に実行する者達のテーゼ。
先を取り、有無を言わせずに、引き摺り回すこと。

その手法の前で、
為政者は内容の無い言葉を並べて
時間稼ぎをすることしかできない。

辺境の地の自称詩人や作家は
社会事象の意味が解らず
一行も物にすることができない。

ジェット機の中でワインを傾ける
嗤い声の下で
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