第一話 暴走クラフトル
文字数 816文字
暴走クラフトルは、周囲の建造物をゆっくりと飲み込み、吸収していく。
巧人は、いつものように、それの駆除を試みた。だが、それは失敗に終わった。
暴走クラフトルは、食事の邪魔をされた猫のように暴れ出し、巧人に襲いかかる。
戦闘向きの資質のない巧人は、その場から離脱する。
しかし、暴走クラフトルの攻撃が激しく、最後は袋小路へと追い詰められてしまった。
普通の暴走クラフトルなら簡単に駆除できたはずだった。
今回の暴走クラフトルはイレギュラーだったのだ。
巧人は、うかつに手を出したことを後悔する。
そして、通信機を手に取りクラフトル管理局の局長へとつないだ。
絶体絶命の状況である。
巧人は、最後の悪あがきとして、持てる力の全てを暴走クラフトルへと向けるのだった。
そして、その力を利用し、想像による創造の攻撃を放つ。
その攻撃は、全てを分断する攻撃…………
だが、この巨大暴走クラフトルには、全く効果がなかった。
その時だった。
突然、稲妻のような光が上空から降り注ぐ。光は真っすぐに巨大暴走クラフトルごと巧人を貫く。
その瞬間、光を受けた巧人と巨大暴走クラフトルは、跡形もなくその場から消えてしまうのだった。