第五十話 菖蒲VSセカンド
文字数 1,866文字
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まるでそこは、火柱の出る罠をあちこちに仕掛けられているようだった。
クラフターストライカー状態の体は熱に耐性を持っている。
だが、やはり限界はあり、体力を消費する。
なので、むざむざと体を焼かせるわけにはいかない。
体力の少ない菖蒲にとって、それは命取りだからだ。
菖蒲は炎を受けた瞬間、フリージングで全身を覆い、炎の燃焼から身を守りつつ戦っていた。
それは、体力の消費を抑えた菖蒲の戦術だった。
それは、温度がさらに高くなったことを意味した。
菖蒲は、フリージングの力をさらに強め、炎をしのぐ。
そして、炎の発生の瞬間の音の動きをその目に焼き付け、グライコバーを操作する。
イコライザーベルの効果範囲内の音は、その影響を受ける。
そして、進行方向を変えた先に出る炎も、音で予測してかわす。
それを繰り返しながら、セカンドとの間合いを詰めていった。
菖蒲は逃げ場を失った。
だが……。
炎の出方がわかりやすいため、壁を作る余裕があった。
地面に向けて冷気を発し、炎を相殺する。
見事にセカンドの攻撃をしのぎ切った。
その後、大技で使った力を補給するかのように黒いオーラの吸収を始める。
そんなセカンドの硬直状態を菖蒲は見逃さなかった。
そして、すぐにセカンドへ向けて魔剣を振り抜き、氷結属性の衝撃波を飛ばす。
セカンドは凍り付き、そのまま動かなくなった。
だが、そうそううまくはいかなかった。
しばらくして、セカンドを氷つかせた氷は割れ、割れたひびから炎が噴き出す。
その炎は、セカンドの体の動きを封じている氷を全て溶かすのであった。
双剣の炎はたいまつのように揺らぎ、燃え盛る。
剣の炎は、突然火力をまして燃え盛り、巨大な炎の竜巻と化す。
その後、巨大な炎の竜巻は、菖蒲に向かって蛇行しながら移動を開始した。
オーバーフリージングの使用は最低でも3分の1必要です。
注意してください。
菖蒲はそれを寸前でかわす。
菖蒲を中心に往復を繰り返す炎の竜巻。
セカンドの攻撃は続く。