エピローグ
文字数 2,406文字
それは、家庭用の大きな冷蔵庫ぐらいの大きさの箱だった。
暴走クラフトル……いえ、ダーククラフトルと言った方がいいかしら。
それの特質をかなり熟知しています。
今回の転送はダーククラフトルにクラフトルを消費させて転送という効果をもたらすものなの。だからもう、精神汚染を気にすることもなくなったわ。
座標はすでにセットしてあるから、中に入ってシステムを起動すれば、すぐに転移できます。
使い方は付属のマニュアルを参照してくださいね。
それと……草香は今、精密検査をしているわ。
命に別状はないとしても、何らかの影響があるかもしれないですからね。
あと、あなたも帰ったら精密検査。
いろいろと興味深いことがありますからね。
特にクラフドラフト。
それと、クラフターストライカーデュアルとかいうのも気になるわ。
直接彼女を連れてこれればいいのだけれど……今回はあなただけしか転送できないのが残念で仕方がないわ。
それとだ。
向こうのクラフターストライカーたちに、必ず挨拶してからくるんだぞ。
とても世話になったのだからな。
あと、伝えておいてほしいことがある。
おそらくまだ、こちらから平行世界への暴走クラフトルの転移は続いているはずだ。
なので、引き続きそれの駆除を彼女たちに頼みたい。
もちろん、報酬も出る。
無理にとはいわないが……頼めるか。
いきなりで申し訳ない。
元の世界へ帰る都合がついた。
もしよければ、夕方、神社の拠点前に来てほしい。
それと、伝えたいことがある。
なので、必ず来てほしい。以上。
太陽が赤く染まるころ、少女たちは姿を現す。
多分、前回の戦いでわかったと思う。
クラフターストライカーを続けるという事がどういう事なのかを。
まだ、こちらの世界での暴走クラフトルの発生は続いている。
その度に君たちに駆除してもらっているわけだけど……。
君たちは、これからも命の保証のないクラフターストライカーを続けていきたいかい?
その後、巧人はゆっくりと転移装置に入り、システムを起動する。
転移装置は甲高い金属音をまき散らした。
その後、光の柱を放ち、転移装置は跡形もなく消えるのだった。
願いを叶える……
流れ星のことだったんだよ。