第二十一話 試験開始
文字数 1,873文字
試験内容が変更されたため、3人は、作戦タイムに入った。
だが、一向に作戦を話し合う気配はない。
巧人はその間に、草香から譲り受けた銀色のプレートを紅葉たちのストラクチャーユニットに食べさせる。
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ストラクチャーユニットには、訓練用のモードが存在する。
訓練者全員のストラクチャーユニットを同期し、攻撃を仮想化。受けた攻撃はダメージとして数値化される機能だ。
今回、草香は、ストラクチャーユニットを所持していないため、模擬戦に参加する合、同期するためだけのストラクチャーユニットを作る必要があるのだ。
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「「「「クラフトラフトエクスチェンジ!」」」」
だが、所々に稲妻がほとばしり、敵を寄せ付けない圧倒的な威圧感を振りまいていた。
模擬戦のフィールドは、神社の境内に設定される。
この中から出ると、即、戦闘不能扱いとなる。
紅葉は上段から剣を振り下ろす。それを草香は左のやりで軽く受け流し、右のやりで紅葉を薙ぎ払う。
紅葉はかろうじて盾で防ぐが、防御を崩され3メートルほど後ろにヒットバックする。
紅葉の視界には、【18000/20000】という数値が表示されていた。
ヒットバックした紅葉に草香が追撃をかけた。
草香の放った【スピアーラッシュ】は、火花を放ちながら紅葉を追い詰める。
ひんやりとした冷気が、周囲に充満する。
その効果は周囲の地面を凍てつかせ、氷のフィールドを作り出した。
氷の塊は、草香に向かって飛んで行く。
その風を利用して草香は高速移動し、なんなく氷の塊をかわすのだった。
そして、先ほどかわした氷の塊を注視する。
氷の塊には、足を氷の塊に吸着させて第二形態になった菖蒲が剣を構えていた。