第二十話 ミーティング
文字数 2,338文字
巧人は、草香が調達してくれた軍資金のおかげで、通常の生活をする余裕ができた。拠点としている物置小屋も、神社の神主から正式に借りている。これで、なんの後ろめたさも感じることなく、任務を続行することができるようになった。
今、巧人と草香は、今後のことについていろいろと話をしている。
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今回の場合、世界が違うのでクラフトル管理局の方針は適用されないはずだったのだが、草香の移動実験の成功もあり、早急に登録申請を行うこととなった。
巧人のような下働きのクラフトル管理局員によるクラフターストライカーのスカウトは、一か月以内にオフィサーの承認が必要となる。
承認の際、オフィサーからの試験がある。一定条件をみたしているとオフィサーに判断されれば、即、承認だ。
承認したオフィサーには、責任をもってクラフターストライカーを管理しなければならない義務が発生する。
なので、オフィサーは問題のあるクラフターストライカーを承認することはできない。そのための試験だ。
もちろん、草香はオフィサーの資格を有している。
よって、草香が承認したクラフターストライカーは、責任を持って草香が担当することになるのだ。
承認さたクラフターストライカーは、正式に管理局員としての行動規範に従うこととなる。
その代わり、それなりの任務報酬を手にすることが可能。もちろん、家族には、モデルのような仕事。という名目での偽装も視野にいれているので、報酬の言い訳ができる。これに関しては、管理局側の対策は万全といっていいだろう。
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日曜日がやってきた。集合場所は、巧人のいるこの神社の拝殿の側である。
まず、最初に現れたのは、譲葉だった。
表情と髪を整え、こちらに向かってくる。
その後、草香のミーティング(ダメ出しタイム)が始まった。
はたして、この戦いの行方は……。
紅葉、菖蒲、譲葉の三人は、一撃を加えることができるのだろうか……。