第三十七話 レベルアップ
文字数 2,899文字
以下、収集した情報の一部である。
ギルドに所属して職業を決めないとクエストが受けられない。
レベル30を超えないと別の地域へいけない。
ストーリーを進めないと、龍とは戦えない。
HPが0、またはパーティーが全滅した場合、最後に立ち寄った町のポータルに戻される。HPがなくなっても、死んだりしないということだ。
食事。生命活動の維持にはかかせない。
この世界では、これが一番大事である。
一応、手に入る食料は本物……らしい。
食料は、この世界の通貨rp(リピト)で、格安に買うことができる。
通貨は1rp1円換算。
その他、細かい情報はUIのヘルプで確認できるようだ。
それとはまた別の情報だが、どうやらこっちの方が深刻だ。
龍を討伐にいったパーティーが、相次いで消息不明になっているとのことだ。
いくつか全滅したパーティーがポータルに戻っているとのことだが、普通に龍と戦って負けたという話しか出てこない。だが、龍が消息不明事件にかかわっていることは確かである。
フィールドは近くの草原。
そんなに強い敵はいないようだ。
どろどろとした花の蜜が、紅葉の体にかかる!
もちろん、弱い敵なので一撃だ。
しばらくして、辺りは暗くなる。
帰り道を塞ぐように、レベル15前後のバクバクフラワーの大群が押し寄せてきた。
まだ、レベル10になったばかりの巧人たちは、バクバクフラワーの群れに、あっというまに取り囲まれる。
譲葉は、変身して一気に第二形態の「新緑のガンナー」へと移行する。
そして、腰に刺したツインハンドリボルバーを抜いた。
ダンシングリボルバー!
設定項目追加。
必殺技イメージ確認。イメージ固定。
キーワード設定。
必殺技名【ダンシングリボルバー】登録完了。
そして、重力を無視したかのように空中で踊りながら回転し、銃を乱射した!
弾丸は、正確にバクバクフラワーたちを打ち抜き、粉砕!
粉砕した敵は、キラキラとした粒子と化し、散っていく!
こちらの動きが悟られている可能性はなさそうだ。
だが、これは意外だ。クラフターストライカーの攻撃が普通に効いて、しかも倒した後に浄化されたクラフトルの反応がわずかに出ている点だ。
こん棒で倒した時は、おそらく浄化されていなかったのだろう。
それに、これだけ粒子が飛び交うと、ダーククラフトルで作られていたものだと実感できる。
だが、譲葉は絡まる蔓をもろともせず、バクバクフラワーに超接近した。
そして、腰に刺したもう一つの銃、ハンドショットガンをバクバクフラワーに押し当て、引き金を引いた。
今回の戦闘で巧人たちのレベルがみるみる上がり、ファンファーレが鳴り響く。
興奮した様子で譲葉に近づいてくる。
譲葉はこの場から逃走。
二人の冒険者は、それを必死に追いかけていくのであった。
今回の譲葉の活躍によって、巧人たちのレベルは一気に上昇する。
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巧人たちは、レベル30に達したおかげで、エリアを自由に動く権限を得る。
さらに、軍資金も1000000rpに達した。
これもみんな、譲葉の機転のおかげと言ってもいいだろう。
だが、本当の試練は、これから始まるのだった。