第24話

文字数 392文字

 しかし、二年目から子作りに励んだ。

 母は二十七、父は二十八。

 遅くもなく早くもなく丁度いい。

 ここで第一子があったら家族計画は順風満帆だったろう。

 ところが、いざ作ろうと思うと、なかなかうまくいかなかった。

 はじめは周期の問題で、時期がくれば妊娠するだろうと二人とも思っていた。

 ところが半年経っても妊娠の兆候が一向に見えないのには二人して焦りを覚えた。
 
 一年が過ぎた。

 子供はできない。

 性交に変な使命が(よろい)(まと)い始めた。

 こうなると父が苦しむ。

 自然と性交に挑めなくなってきた。

 勃起が起きない。

 それを母が次に苦にする。

 できないのは自分のせいなのか。

 結局、どちらに原因があったというわけでもないが、

 母の方がそのことでより自分を強く責め悩んでいたので、

 父も自分の(たね)に欠陥があるかもしれないと疑い、

 二人は淀んだ空気を振り払わんがため意を決めて不妊検査を受けることにした。
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