第2話

文字数 257文字

 記憶はない。

 何にもない。

 僕の記憶はまったくない。

 眩いものを見るまえの記憶とは違うなにかこう霧みたいなものは説明のつかない場所に掛かっているようにも感じるのだが、それが何であるのか説明できない。

 『不安』? 

 確かそんな言葉があった。

 けれど不安ってなんだっけ? 

 かつてその意味を知っていたような気がするんだが、ここに在って不安という意味を記憶同様、持ち得ない。

 わからないことにもしも感情が微かに動いているなら安らかではないのかもしれないけど、僕の感情は何も揺れていない。

 ただ、こうして在るにすぎない。
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