第7話 悪魔的商談
文字数 1,602文字
ガザリアが入ったのは、通り沿いの小さな店舗だ。
その戸口へと近寄り、ロイズたちは中の様子をうかがう。
不審に思い、あらためて看板を見上げると、そこには『レンタルショップ』とある。
ほのかな疑念を抱きつつ、ロイズはそっと店内へと足を踏み入れた。
そこで店主とガザリアが、同時にロイズに気づいた。
あまりの剣幕ですがりついてくる少女に、さすがのロイズもたじろいだ。
そして女剣士ガザリアは、事の経緯をこう説明した――。
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それは2時間ほど前。
王都に到着したガザリアは、王宮に向かう前に、まずこのレンタルショップに立ち寄ったのだという。
当時の状況は――
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――つまり、現在の状況はこうだ。
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皆の視線を受けて、ロイズは黙考する。
目の前には、今にも泣き出しそうな17歳のうら若き女剣士。
手元には1000Gの軍資金。
もし、ロイズが不足の500Gを肩代わりしなければ、ガザリアは――
店の奥から、むくつけき男どもがのしのしと現れたかと思うと、ガザリアを取り囲み、容赦なくプレートメイルを脱がせていく。