第47話 悪魔的隠匿
文字数 2,017文字
んで、神殿つくった部族もほろびちまって、時が経ってオレたちトレジャーハンターの出番だったってわけだ。
遺跡の中にあったお宝を掘り起こしちまって、運び出しちまって――そういう意味での価値はなくなった。
所有も国王のモノになって、このまま放置しておいてももったいねぇだろうってことで……
巨大迷路の準備中、そそっかしいスタッフが片栗粉の入った容器をぶちまけちまってな。そんで、「ああもったいねぇ、片付けねぇと」ってやってると、その片栗粉がわずかに風に吹かれていた――
――あらぬ方向から、つまりは下から。
地面のごく細いすき間から、風が吹き出ていることに気づいた。よくよく調べてみると、どうやら地下に巨大な空間があるらしい。
こりゃ大変だってことで、すでにコーディネーターとして協力関係にあったオレに、この地下探索の役目が回ってきたってわけだ。
おいおいお嬢ちゃんたち、そんな目で睨むなよ。オレはただの雇われハンターだ。未知のダンジョンに挑んで、お宝をゲットする。その過程にこそ悦びを見いだしてるんだよ、オレは。
ベンド商会が少々仁義にもとっていようと……ま、そんなのは関係ねーやな。
はは、小悪党みてーな勇者さんだな。
まあオレはそれでもいいさ。国王とベンド商会のあいだに亀裂が走ろうと、別に知ったこっちゃねぇ。
あんたが密告して、それから国王軍が到着するまでそれなりに時間があるだろうしな。この地下探索が終わる頃には、きれいさっぱりとここを去ればいいだけだ。