第45話 悪魔的コーディネーター
文字数 1,142文字
冒険の支度を終えたロイズたちは、馬車に乗り込み、ワーバ遺跡をおとずれた。宿を出て3日後のことである。
到着～～！
……でも、これって。
…………。
人、多い。
道も混んでたしな。
なんだってこんなに。
観光名所？
むかし、ここに神殿が建ってたんだって。その跡地だから……うん、観光が目当ての人がいてもおかしくないんだけど……。
それにしても多い。人がゴミのようだ。
人間なんてみんなゴミだろ。
……パパ、安眠を妨げられたからイライラしてる。お肌に良くない。
レニちゃん、お肌ぷにぷにだもんね。
うさぎさんも、フカフカほっぺ。
えい、えい。
も、もう、レニちゃんてば……！
イチャついてるんじゃねぇよ。
こんなところに『聖剣』なんてあるのか？
この連中も聖剣目当て――にしては家族連れまでいるな……。まあいい、実力で排除すればいいだけの話だしな。
…………。
（パパ、いつになくヤル気）
（そうだね。そんなにガザリアさんのために聖剣を手に入れたいのかな……）
おい。
（パパが前向きだと、なんかキショイ）
（最近、マジメな顔とか見てないもんね）
おまえら、聞こえてるからな？
■ ■ ■
さあさ皆さま、お待たせいたしました！
……あれは何者？
高いところで叫んでる。
みんな注目してるね。なんだろう。
なんだお嬢ちゃんたち！
何も知らずに来たのかい！？
わっ、濃い顔！
――なんだ、アンタは？
お、兄ちゃんがこの子たちの保護者か。
俺の名はエンディアナ・ローンズ。トレジャーハンターさ。
気軽にエンディと呼んでくれ！
トレジャー……。
アンタもここの財宝を狙いに？
んん？
……くくっ、はっはっは！
何がおかしい――
はは、スマンスマン。
そうか。本当に何も知らずに来たんだな。
？？
ここにあったお宝の山は、とっくの昔に見つけられて売り飛ばされちまったよ。
そうさな、もう10年になるかな。
ここに聖剣があると話を聞いてたんだが……。
そりゃガセさ。……いや、古い話って言ったほうがいいか。
かつてはここに聖なる匣（はこ）が眠っているという伝説があってな。俺は大冒険の末にそいつを探し当てたわけだが、まあ、けっきょくロクなものじゃなかったんだよ。
それ以来、ここはずっと放置されていたんだがな。
……ガザリアのやつ、ガセネタを掴まされたのか。
ん？
アンタが見つけたのか？
おうさ、トレジャーハンターだからな。
もう遺跡の中はもぬけの殻――って訳か。
じゃあこの騒ぎは何なんだ？
ああ、これは――
それではこれより――
ベンド商会の主催による、
『第６回 チキチキ！
巨大迷路でＧＯ！ ～親子で挑戦おたからさがし～』
を開催いたしまーーーす！
ええっ？
……すごい盛り上がりよう。
…………。
んで、改めて。
ベンド商会に雇われているコーディネーター、もとトレジャーハンターのエンディだ！
よろしくな、兄ちゃんたち！
