第49話 悪魔的結成
文字数 2,112文字
ロイズさんが手伝って頂けるのなら報酬も山分け。それに……エンディさん。契約では、遺跡内で発見した宝は頂戴してもよいのですよね?
ロイズさんにとっても悪い話ではないのでは? こちらにはトラップ崩しの専門家であるエンディさん、優秀な盾である奥太郎もついています。ガザリアさんも含めて、ダンジョン攻略という視点ではあなたのパーティーよりずっと優秀――楽ができる、と思いますが?
オレは何もしない。疲れたらそこのオークがオレを担いでいく。オークのごつごつした肌が辛くなったらガザリアが胸を揉ませる。で、見つけた宝はオレのもの――
この条件でいいならほんの少し力を貸してやらんでもない。
■ ■ ■
狭い遺跡の通路には、侵入者を阻むトラップが無数に仕掛けられていた。触れると毒霧を吹き出す壁、踏み込めば槍が突きだしてくる石の床――。
こんな風に――
と、途端に宝箱は
聖剣を収めたとされるその箱が、心臓の役割を果たして遺跡中に魔力を供給している……俺はそう見てるね。
と、いつの間にかいつもの調子で応酬していた2人は、はたと気づくと、不機嫌な顔をつくり、顔をそむけてしまう。
若干の不安をはらみつつ、探索パーティーはさらに遺跡の奥深くへと進んでいった……。