第52話 悪魔的真相
文字数 2,529文字
シノゥたちと分断されたガザリアは、ロイズを伴って暗く細い通路を進む。ひと1人がやっと通れるほどのその脇道には、さいわいなことにトラップは少ないようだった。
ガザリアの背後を、ロイズが不平を漏らしながらついてくる。
気軽に話しながら、そういえば家出ならぬ『脱パーティー』中であることを思いだし、ガザリアは口をつぐむ。
どうにも、ロイズを前にするといつもの調子に戻ってしまう。
きっとワーバ遺跡まで追って来たのも、ララミやレニに押し切られてのことだろう。
そう、この男はガザリアのことを何とも思ってなく、どころかその好意に対して憐れみを感じるような冷めた男なのだ。
フラれるのは仕方がない。だが、それにしても言い方というものがあるだろう。あれだけ生死を共にしてきた仲間だと言うのに。かりそめであっても、一度は婚約までしたというのに……
と、宿でのすれ違いを知らぬガザリアはそう思う。
口に出したら思いっきり否定されそうだったので、ガザリアは言葉を呑み込んだ。代わりに、
相変わらずぶつくさ言いながらも、ロイズは幾分か足取り軽くガザリアのうしろをついてくるのだった。