総裁の長い一日

文字数 4,274文字

うむ、ついにD-DAY、搬入当日となったのである!
上陸作戦の日の朝食はステーキと決まっておるのだ。しかし残念ながらステーキはなかったのでハンバーグである!
我が著者も出発準備である! 著者、痩せろ! なのだ。
著者さん、明らかに不健康そうですよねえ。というかこのTシャツは何なんですか?
セルフパブリッシングの世界を盛り上げようというキャラクター、「ぱぶにゃん」なのだ。@natsu100KOUSIKI 、セルパブ夏の100冊2017の公式キャラクターなり。
ええっ、でも2017年のセルパブ夏の100冊、まだ出てませんわよ。わたくしもたのしみにしておりましたのに。今日は8月31日ですわ。
うぬ、8月は40日まであるとか、まだまだいけるはずだとか。西原理恵子先生もそうおっしゃっておるのだ。ここはグッと堪えるべきであろう……。
たのしみですのに……。
む、我が著者と澤俊之さんの対談もあると聞いておった。うちの著者が粗相をしておらぬか心配でのう。
心配ですよねえ。
この荷物を抱えて出撃である。
そして、この子に会えたから今日もきっといい一日、と思いつつ。
列車が来たのである。これに乗ってビッグサイトを目指すのである!
あ、シートの後ろにスーツケース置けたんですね。
小田急のHPでシートアサインを確認し、最後列の席を確保したのだ。
総裁には珍しく知能犯的ですね。
いやー、総裁はいつも悪知恵とやり過ぎはすごいもん。ヒドいッ。
こらー! 総裁をなにげにdisらないの!
そして窓を借景に「撮り模」、模型撮影である!
こういうの楽しいよねー。あ、それに今年はちゃんとこれ用にレール持ってきたんだねー。
EXEは実は最後列からでも前がよく見えるのである!
EXEはSuperExpressのSEとはべつにされておりますが、密かな名車ですわ。
複々線高架区間でもまたパチリなのである! いよいよ都内に突入!
ほんとですねー。毎年、りんかい線の乗車促進音聞くと、このJAMの季節が来たな、という気になります。
そしてりんかい線国際展示場駅から歩道を歩いて行くのだ。
タクシーで行くという手もありますよね。ここは地味に距離あるから。
しかし! スーツケース内の6センチセクションが心配で生きた心地がしなかったのである。横倒しして信号機がボッキリ、となったら泣くに泣けぬ。
でもその信号機、すでにこのときには一回、家で作業中に折ってたんだよねー。
うっ、さふなり。家でセクションを接続するときに手元を誤って信号機をギロチンしてしもうたのだ。信号機は真っ二つになったが、幸い簡単に修復可能であった……。LEDのリード線も切れずに済んだ。
不幸中の幸いでしたね。ヒドいッ。
それはヒドくないよー。
そしてついに、ビッグサイト着である!
すでに看板がお出迎えしていたのだ。
あ、今年は東1ホールだったんですね。ビッグサイト正面から近くていいですね。
そして自由環状線の皆さんと合流である。まずここまでの旅は一つ終わったのである。皆さんと一年ぶりの再会を喜びつつ、出展準備作業開始である!
まず展示台のヘリに布を巻き、タイルカーペットをしくのだ。ちなみにこの作業の間、車両搬入も行われていて空調はされておらぬ。しかし今年は涼しかったのだ。
例年は暑くて正直つらかったですわ……。
詩音ちゃん、身体弱いもんね。いつも心配になるわ。
そして! これがミエ君の作のナゾ工場、奇車会社本社工場の梱包である!
こうやって届いたんですね!
そして開梱である!
これは手強そうですね……。
いや、よく梱包されておった。しかし、一番底の発泡スチロールの緩衝材が抜けず、抜かずに取り出すのかと迷ったりしたのがハイライトなり。そのとき「ミシッ」という音がしたりして、肝が冷えた……。
スミマセン……。
斯様なイラスト入りの取扱説明書が添付されておった。
ステキですわ……。
しかし、初めての梱包、丁寧な梱包は模型への熱い思いが詰まっていて、それはワタクシの胸もまた、熱くしたのであるぞ。(ちょっとベルクロテープが巻きすぎになってて、外すの難儀したが)
なんですかそのカッコ内! でも、巻き過ぎちゃってたのか……。
まあ、途中で外れるよりはずっと良いのだ。その気持ちは痛いほどわかったぞ。しかもそのお陰で、輸送による破損は何もなかった。パーフェクトであったのだ。
そして、この透明部への人形設置である。透明部、ぶっちゃけ元車両ケースを開けてなかに人形を設置する。これはワタクシの入魂の作業を必要とするところなり。心して行った。
せっかくここまで運搬でも破損がなかったんですものね。ここでミスしたら泣くに泣けませんわ。
他にも作業に置いて不明な点があったが、事前にミエ君から送られておった取扱説明書をもとに行うことで、安心して作業出来た。
これがその取扱説明書なり!
添えられたイラストにも模型愛がこもってますわ! 素敵ですわ!
しかしどうにもわからぬのが電気配線であった。ゆえ、そこは写メを撮ってミエくんに問い合わせたのである。
あのイラスト豊富な取説見ればわかりそうですけど……。
そこは念には念を入れたのである。ここで失敗するのは哀しいからのう。
そしてナゾ工場、奇車会社新社屋、ビッグサイトに立つ! なのである!
このあとちょっと垂れ幕がちょっと外れてたの直して貰ったんです。この垂れ幕、総裁のサーバルちゃんのイラストの出番がなさそうなので、最後にサプライズで作ったんですよー。
あとでそういう意味であったことを訊いて嬉しかったのであるな。

そしてこのあたりで車両搬入が終わり、会場に空調が入った。

毎年このときに拍手が起きるのが恒例なのである!

拍手したくなる気持ち、わかりますわ……。
PCの画面で見ておったあの工場を、この目で初めて見て、ワタクシも感動したのである!
ついに全貌が明らかになりましたね。これが完成写真になりますね。
なんかすごく雰囲気出てますね。工場部は風景に妙になじんでる。ヒドいッ。
ひどくないよー。でもBトレベースはどうしてもそのままかなあ。
でも、無加工よりはずっとなじんでるよ。よくやったよ。
みなさん、ありがとうございます!!
そして照明を入れたのである!
他の人の頭が見えてるけど、その下は雰囲気いいですね!
建物としての一体感はありますね。
正直、この照明の発熱が心配であったのだが、しばらく点けておった結果、ここまででギリギリまで絞っておれば問題なさそうなので、ホッとしたのである!
そして工場内部である。実はこの人形、工場の屋根と建物側に取り付けられておって、なるほどなあと感心したのである。そのことをここまで気付かなかったのだ。
やっぱり床はフラットなほうがなにかといいですから。
まさに「使うストラクチャー」のコンセプトにぴったりですわ!
そして本線の試運転開始である!
総裁の信号機とかの6センチマイクロセクションもなかなかいいですね!
この密集感、素敵です!
試運転の機関車がミュージアムの明かりを受けてシルエットになるのがまた素敵ですね。このミュージアムの大窓の桟がきれいに揃っているのも見ていて気持ちがいいですわ。
おおー、人が入ってさらに活気とスケール感がでますね。
展示を見に来たお客さんたち。これはこのストラクチャーの中もそうですが、これを模型として見るJAMのお客さんたちもまた現していて、とても楽しいですわ。
なにげに屋根上にBトレの「ゆうトピア和倉」がいますね。これは走ったんですか?
うぬ、これはあくまでも「けものフレンズ」関連の展示があるまでの代役であるのと、併結牽引する485系Bトレの動力車のウエイト不足でほとんど走らなかったのだ……。
ほんと悲運だなあ……でも、こうして搬入日だけのレア画像になりましたね。
オリジナルレイバーもデッキアップですね。これだと工場が特車二課の整備棟のように見えてまた面白いですね。手前の雪景色も相まって「パトレイバー2劇場版」みたいな雰囲気。
ほんと、好きなモノ詰め放題ですね。ヒドいッ。
そして説明ラミネートパンフレットも置き場が出来ておった。感謝なり。
そして設営完了。ワタクシのアクリルフィギュアを置いて記念撮影なり。
長い一日でしたねー。
それがー!!
ええっ、ミエさん、どうしたんですか? なにか?
大雨で鉄道が運休になって、兵庫から京都までいけなくなっちゃったんですー! 京都から東京まで夜行バスで移動するはずだったのに、乗れなくなっちゃった……。
えええええええ!!!!
ワタクシはそこで、「まだ諦めるな! 全ての手段を尽くさずに諦めてはならぬ!」と通信をしながら、設営を終えて宿に移動していたのである。サイアク、1日目の前半の展示をどうやってミエ君なしで持たせようかと考えつつ、ミエ君を精一杯応援したのだ。
でもほんと、大雨ではどうにもなりませんわ……。
ワタクシはそれを案じつつ、宿に向かった。この出展作戦の前進基地であるの。
ええっ、宿って、このトレインホステル北斗星!?
雰囲気は完全に寝台列車ですけど……これではすっかりテツ分過剰、テツ分のオーバードーズですわ!!
ここは隣がコンビニなのであるな。そこで遅い夕餉を手に入れて、宿に戻っていただいたのである。
さすが北斗星、食事スペースも食堂車の雰囲気ですわ。
ここでようやくミエ君から入電があった。なんと、大阪から寝台特急「サンライズ」のソロ個室に寸前でキャンセルがでて、それを入手、乗車して明日朝に間に合うとの連絡であった・・……。
福知山の駅員さんががんばってくれました! しかもその寝台券、番号にC62ってあったんです!
そういえば今回のJAMのテーマは東海道でしたわね。東海道のC62……まさに「つばめ」ですわ。
なんだか劇的すぎてヒドいッ!
ツバメちゃんがそれ言うのもナニだよー。
でも、これで搬入日はついに終わりましたね。長い一日だったんですね。
ちなみに夕餉に宿でコンビニのペペロンチーノをすすっておったところ、同じ宿泊の方からいろいろ食事をおごられてしもうた。こういうふれあいの楽しい宿であった。そこで鉄研より鉄道に詳しい部活の話などきいて、うちの著者は大変勉強になったらしい。
ほんとにテツ分のオーバードーズですわねえ。
そして、搬入日が完全に終わったのは翌朝2時頃であった。

だが! JAMはまだ本番が始まっておらぬ! いよいよ次回から出展篇なのである!

ながかったねー、ここまで。
まだまだ続くのである!
というわけで続きます。でももうこの連載の折り返し点、過ぎたかな……。

もうしばらく、お付き合いを。

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登場人物紹介

長原キラ ながはらキラ:エビコー鉄研の部長。みんなに『総裁』と呼ばれている。「さふである!」など口調がやたら特徴ある子。このエビコー鉄研を創部した張本人。『乙女のたしなみ・テツ道』を掲げて鉄道模型などテツ活動の充実に邁進中。

葛城御波 かつらぎ みなみ:国語洞察力に優れたアイドル並み容姿の子。でも密かに変態。しかしイマジネーション能力は随一。


武者小路詩音 むしゃのこうじ しおん:鉄研内で、模型の腕は随一。高校入学が遅れたので、実は他のみんなより年上。鉄道・運輸工学教授の娘で、超癒し系の超お嬢様。模型テツとしての腕前も一級。


芦塚ツバメ あしづかツバメ:イラストと模型作りに優れた子。イラストの腕前は超高校級。「ヒドイっ」が口癖。


中川華子 なかがわ はなこ:鉄道趣味向けに特化した食堂『サハシ』の娘。写真撮影と料理が得意。バカにされるとすぐ反応してしまう。

鹿川カオル かぬか カオル:ダイヤ鉄。超頭脳明晰で、鉄道会社のダイヤをアルバイトで組んでしまうほどの『ダイヤ鉄』。プロ将棋棋士を目指し奨励会所属。王子と呼ばれるほどハンサムな女の子。電子回路やプログラミングが得意。

田島ミエ たじまみえ:総裁の古くからの友人。凄腕の模型テツ。鉄研のみんなと一緒に大洗などを旅行したものの、関西在住で滅多に会えない。なおかつその実像は不明。

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