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文字数 4,041文字

うむ、ここまでお話を続けてきたが、ここで読者からのお便りを紹介するのだ。
わ、いきなりなんですかそれ。
まず、東京都・「『あまつかぜ』に乗りたいな」さんからのお便り。


総裁はJAM出展記念で周遊列車「あまつかぜ」擬人化コスプレはしないんですか?

ええっ、総裁がコスプレ? ヒドいッ。だいたいいつも時々言ってる秘密兵器『あぶないみずぎ』だってヤバいのに!
むう、そこは我が後輩マナ君がレイヤーさんであったので、そこは……。
ええっ、実際にコスプレしちゃったんですか!
やはり読者さんの要望とあれば、このワタクシも一肌脱がねばならぬと思うてのう。
えええー!
総裁、やっぱり変態だもんなー。御波ちゃんは隠れドSで隠れ変態だけど。
何言ってるのカオルちゃん! ドサクサに紛れてdisらないでよ!
でもあの自作周遊列車『あまつかぜ』の斬新なデザインの意匠をどのようにコスプレにしたのか、興味が湧いてしまいますわ。
詩音さんも変態ですよね……。上品なのに。
みんな変態だもんなー。もー。
これがワタクシの『あまつかぜ』コスの姿であるのだ……。
ひいいい! これ、年齢制限要りますよ!! なんですかこのガーターベルト!!
それに、む、胸が大変なことになってますよ!
なるほど、あのヘッドライトに巨大な連続天窓はこのように処理したのですわね。
詩音くん、なにそんな冷静に鑑賞してるの!
もー。私たちのKENZENな鉄道模型趣味啓蒙って大義名分がどっか行っちゃったよー。
うむ、脱ぎ出すと「えいえいもっと過激に!」と勢いが付いてしまうことは発見であった……。
それどころじゃなーい!
まあ気を取り直して。これからも要望などあれば我が鉄研は著者と相談の上、出来ることはやっていこうと思うておる。どしどし送りつけていただきたいのだ。何分にもリアクションが最大のやる気になるでのう。
突発で読者コーナー始めたと思ったらこんなとか。ヒドいッ。
しかし! 若干露出の多いコスを着ると、なぜか不思議な気持ちになってしもうてのう。
もう! 変態、変態、ド変態!
そんなワタクシであるが、今回、ミエ君のナゾ工場のアートワークというか、小物作成も担当したのである! 500キロも離れておるので全て通信経由ではあったのだが。
総裁、チカラワザで話題変えたー。
あのままだと怒られちゃうもんね……いろんなとこから。
いや、これでも怒られる可能性大ですよ。
うむ、怒られることは覚悟しておるのだが、怒られると凹むのもまた人間なり。
なに変な正当化してるんですか。ヒドいッ。
そうは言いつつ、徐々にウェザリング作業が進んでいくのであった!
気を取り直して。ともあれミエさんのウェザリング、いつもながら独特の風情がありますわ。素敵です!
いやー、ただきったなくしてるだけの気がして、不安は大きかったんですけどねー。
工場の外装を綺麗に保つのはなかなか大変なことですわ。特に油と煤にまみれる気動車まで整備する車両工場なら、これぐらいのウェザリングは必要ではないでしょうか。この作例は適切な処理だと存じますわ。
そうかなー。
うむ、ここでミエ君に対してワタクシの留意点は、初めてのモジュール出展において、ミエ君に結果としての失敗感を持たせないことであった。なにしろミエ君はモジュール出展では今回が初陣であるからのう。ここで成功体験がなければ、苦手意識が植え付けられて回復しようがなくなるのだ。
それはいえますわね。やはり初めは手堅くてもいいから、成功に終わらないとあとあとがしんどいですわね。
そこでウェザリングなどの残作業に自信を持って望めるように、ワタクシはサポートを続けたのである。
おおー、でもグッとくる車両工場になってきましたね。
工場の番線表示は川崎重工の車両工場のYouTubeを観察していて見つけたのだ。ほかにもいろいろと工場の観察から表記類をオリジナルでいろいろ作成した。
はじめキット添付のシールを使おうと思ってたんですけど、なんか違う感じがしたんですよね。
そこは手作りしてこそ模型は楽しくなると言うものなり。ちくちく作成しておってワタクシは楽しかったぞ。
あ、安全第一はあるけど、「ゼロ災害」までついてる。ヒドいッ。
最近の工場はこうらしいからの。我々鉄研の円陣くんでハイタッチしてのかけ声も「ゼロ災で行こう、ヨシ!」であるからのう。こういう産業文化は取り入れたいのであるな。
この看板、データ送られてきたら、看板の裏のディテールまで印刷表現するようになっていてびっくりしましたー。
やはり手を抜きながら自然な情報量を足すのはこういう建築ジオラマのセオリーであるからの。
ええっ、「USO 00800認証工場」って……!
うむ、これはやってみたかったのだ。最近はISO9001や14001など、企業が社会的なニーズにマッチした製品やサービスを常に提供するための仕組みが国際標準化機構ISOによって世界的に共通規格として定められておる。品質向上が9001、さらに環境への影響を最小限とするものが14001であり、そのために設備だけでなく組織の運営体制までが審査されるというのだな。
鉄道模型やってるといろんな勉強を必然的にやることになりますね。そこがまた教育的にも魅力だけど。
というかそういってるのに不健全な格好……ヒドいッ。
うむ、しかしこの模型ではUSO規格、模型においてただの脳内設定に堕することをできるだけ避け、喜んで貰えるように深く検討することを考え、そのうえでUSO800規格としたのであるな。しかしデザイン的にUSO800では桁が少なくてそれっぽくならないので、あえてUSO 00800規格としたのである!
変なところ凝るねー。でもそういうの楽しいよねー。
これも楽しかったのだぞ。
川崎重工みたいなロゴで奇車会社って……。
これも憧れの企業であるからのう。敬意を表してフォントを工夫してそれっぽく加工したのである。
なんかこれも怒られる原因になりそうな……。
先ほどの事業所内の掲示板もまた工夫しておる。掲示物の文章は半分近くはちゃんとオリジナルを作文したのであるぞ。
なんか見慣れた北急電鉄のマークと建物のパースとか、いろいろ貼ってあるなー。それになんですか、架鉄連合対抗卓球大会にむけての卓球部メンバー募集とか! 悪乗りしすぎでヒドいッ!
ワタクシは全力でやりすぎるのが工作のスタイルであるのだな。
やり過ぎです、ヒドいッ。
でも右下のポスター、これなんだろう? なんかどっかで見た感じだなあ。
なんですかこれー!!!
うむ、あの屋上Bトレベースでジャパリバスなど「けものフレンズ」関連をJAMで展示するので、それに合わせたポスターを作成したのだ。
「きしゃフレンズ」って……。それにこのサーバルちゃんは……。
無論オリジナルであるのだ。やりすぎはしても権利をただ踏むのは禁忌であるからのう。
なにか凝るところを激しく間違っている気がしてきましたわ……。
でも雰囲気はドンドン出てきてますわね。
そして企業名がドーン、って、これ、どっかで見たような感じ……。
うむ、これは鉄道模型メーカーKATOの本社でありホビーセンターカトーの造作にも学んだのだ。
ほんとやりたい放題ですね、ヒドいッ。
でも、好きなものを精一杯にぎゅっと詰め込んだこの意匠は、見ていてもまた楽しいものですわ。
そして様々な工事が終わり、形勢が固まりつつあるときであった。
この3連煙突がいまいち綺麗すぎるように思えたのであるな。
結構実際に汚してあったんですけど、なんか総裁が「いまいち綺麗すぎる」って。
さふなり。やはりここまで手を入れると、はっきりとわかるウェザリングをせねば、バランスが取れぬ。ゆえ、ミエ君には無理を言って、思い切ってもっと汚すことを提案したのだ。
結構黒くなりましたね。ベテランの工場っぽくなりましたね。
失敗したらどうしようとワタクシも実はできあがるまで、連絡があるまで背中に汗をかいておった……。
私も結局、かなり思い切りが要りました。でもそうなると床面も綺麗すぎるので、ウェザリングがさらに必要になってしまったんです……。
でもこの工場内の風景、ここまでやってこそ、できるものだと思わないか?
「車両工場工員の声が聞こえた」って感じですものね。まさにミニチュア工作の醍醐味ですよね。
さふなり。この楽しさを広めていくことも我が使命なり。
そうかー、使命かー。
で、これでほぼ完成ですよね。
ミエ君のほうで作業は続いておった。照明の配線作業、さらにはJAM会場への輸送のための梱包の作業もある。それゆえなんと! 竣工写真をミエ君は撮らずにそのまま梱包してしもうたのだ!
ええーっ、ヒドいッ!
てへ。
「てへ」じゃなーい!
ワタクシは仕上がりの姿が全てわからぬまま、当日の開梱作業のときに我が支援作業をふくめた成果を初めて見ることになってしもうた……正直、内心ものすごく不安であった。
ええっ、そうだったんですか?
「ええっ」じゃなーい!
しかも、発送は自由環状線さんの全荷物と一旦合流しての東京への発送、意外と時間がかかるのだ。ワタクシはその間、車両整備などしながら、不安と戦うこととなったのだ。
それは地味にしんどいですわ……。
しかし、このとき、ワタクシは「響け!ユーフォニアム」のアニメもちょいちょい見ておった。そこで、思ったのだ。
????
「会場を、アッと言わせる準備は、出来ましたか?」 あの滝先生の言葉が浮かんだのだ。ちょうど息抜きで行った地元のウインドオーケストラの演奏会で「ユーフォニアム」の曲が演奏されておったからの。

 不安ではあるが、同時に気持ちは盛り上がりつつあったのだ。

いよいよJAM搬入まで数日ですね、ここで。


ということは次回はいよいよ搬入の様子ですね。

ところが! そうはいかなかったのだ!
ええっ、ほんとですか!! ヒドいッ!!
さらに話は続くのである!!
引き延ばしてるわけじゃないんです、いろんな事が起き過ぎちゃったんです……。

というわけで、続きます。

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登場人物紹介

長原キラ ながはらキラ:エビコー鉄研の部長。みんなに『総裁』と呼ばれている。「さふである!」など口調がやたら特徴ある子。このエビコー鉄研を創部した張本人。『乙女のたしなみ・テツ道』を掲げて鉄道模型などテツ活動の充実に邁進中。

葛城御波 かつらぎ みなみ:国語洞察力に優れたアイドル並み容姿の子。でも密かに変態。しかしイマジネーション能力は随一。


武者小路詩音 むしゃのこうじ しおん:鉄研内で、模型の腕は随一。高校入学が遅れたので、実は他のみんなより年上。鉄道・運輸工学教授の娘で、超癒し系の超お嬢様。模型テツとしての腕前も一級。


芦塚ツバメ あしづかツバメ:イラストと模型作りに優れた子。イラストの腕前は超高校級。「ヒドイっ」が口癖。


中川華子 なかがわ はなこ:鉄道趣味向けに特化した食堂『サハシ』の娘。写真撮影と料理が得意。バカにされるとすぐ反応してしまう。

鹿川カオル かぬか カオル:ダイヤ鉄。超頭脳明晰で、鉄道会社のダイヤをアルバイトで組んでしまうほどの『ダイヤ鉄』。プロ将棋棋士を目指し奨励会所属。王子と呼ばれるほどハンサムな女の子。電子回路やプログラミングが得意。

田島ミエ たじまみえ:総裁の古くからの友人。凄腕の模型テツ。鉄研のみんなと一緒に大洗などを旅行したものの、関西在住で滅多に会えない。なおかつその実像は不明。

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