第47話 はるかなるオモイデ

文字数 2,122文字

鉄研配信ジャックは早めに終わってしもうた。ゆえ、著者が思い出話をした。こんなものにワラさんをつき合わせてしまって申し訳ない。
時間配分がなってないですよ。ひどいっ。
でも思えば90年代からこの2021年まで、オンラインを使ったイベントというものはすざまじく進化してきたのう。かつてはオフ会開くだけでも驚きであったのだが、とうとうオンラインのバーチャルイベントがこうして実現したのだからのう。
著者さん、そういうところで歴史を目の当たりにしてきたんだねー。
SFのDASACON、ミステリのMYSCON、そして架空戦記のIFCON。すべてその黎明期に我が著者は関わり、それぞれでいろいろな失敗をしてきた。でもどの会合も素敵で楽しかったのは間違いない。
どれも更新ずっと前に止まってる…。
歴史の彼方になってしもうたのう。
これらの読書系徹夜オフ会の会場となった旅館鳳明館も昨今の事情、おそらくコロナのせいで休業になってしもうた。
都内でああいうイベントのできる数少ない会場でしたのに…。残念ですわ。
プロもアマチュアも読者も徹夜で本のことを語り合う、非常に稀な場であった。土曜夜から日曜にかけての開催なので、朝方に片隅のテレビで「ニチアサ」をみんなでワイワイ言いながら見るのも恒例であった。
でもわたしたち、ホントはその頃まだ生まれてないですよね…。私達、非実在女子高校生とはいえ、年代があいませんよ。
『ワタクシの記憶はワタクシのもの、著者の記憶もワタクシのもの』であるのだから良いのだ。
また変なジャイアンみたいなこと言ってー。もー!!
我が著者は数々のオモイデをあのころのネット系中規模徹夜オフにもっておるのだ。あのなかから参加者はさまざまに分かれていった。プロ作家になるもの、プロ編集者になるもの、転職して本の世界から離れるもの。みなそれぞれの青春であった。
「嵐のように毎日が燃えていた」ですわね。まさしく。
詩音ちゃんがよその権利踏むなんて。
わたくしにもそんなときがございますわ。
これからはどうなるんだろうなあ…。
コロナがあけてくれなければどうにもならぬ。とはいえコロナが本当にあけるものか、それすら昨今の感染拡大の状況で見通しができなくなりつつある。
また実際に会って、笑ったり泣いたりできるイベント、できるのかな。
とりあえず2022年のJAM国際鉄道模型コンベンションのお誘いは来ておる。2022年8月19・20・21日に開催らしい。我らもその準備を始めねばならぬ。
去年と今年はオリンピックとパラリンピックで開催できなかったですからね。会場のビッグサイトが使えなかった。
その変わり、例年なら鉄道模型のJAMができない代わりにNovelJamができたのだ。もう夏のこの時期にNovelJamが開催され参加できることはないかもしれぬ。この8月は高校生鉄道模型コンクール、夏コミ、鉄道模型のJAMコンとビッグイベントが毎週末に3連続したりするからの。
これは2019年のときのJAM国際鉄道模型コンベンションの我々の展示の写真ですね。また2022年もこんな展示、できるのかな。
我ら鉄研はこれが目的の存在であるからの。工夫してやるしかないのだ。


話を戻そう。ともあれオンライン、フルリモートでも今の所Noveljamは動いておる。これも参加の皆さんの協力の賜物なり。

ほんとうにそうですわ。みなさんの気持ちが一つだからこそできるイベントですものね。
ちなみにこのNovelJam、とある書籍に見識のある方に紹介したところ、志は高いけど編集者集めが難しいイベントだね、とおっしゃっていた。さすがの慧眼であった。
えっ、その方って…。
それは今は言えぬのだ。我が著者に関わる重要人物であるが、にもかかわらず言えぬのだ。
なるほど、そうなんですね…。そういうこともございますわね。
我が著者は人に恵まれておるのだ。それなのに当人の自覚が足りぬのが申し訳ないのだ。

ええい、だんだん腹が立ってきた。著者よ、代わりにひとっ走りコンビニスイーツ買いに行ってこいや!

また著者いじめするー。ひどいっ。
もー。すこしおちつきなよー。この前乗った寝台特急「サンライズ出雲」の走行音流すからさー。
むう、あの音は睡眠時や作業時のBGMとして大変よろしいぞ。うむ。
やっと総裁落ち着いた。でもだいぶ配信、パターンができてきてなれてきましたね。
十分に熟練したときには終わってしまいそうであるがのう。
で、次は朗読企画ー? なにするんですかー。
今回の目玉企画であるのだ。なんと! 自分の書いた原稿を声優さんが読んでくれる!!
それは楽しいですね。我々も総裁とツバメちゃんが声アテてもらえて楽しかったもんなあ。
総裁もうちょっと自重しないと、声アテてくれた声優さんが可哀想だよー。
うぐう、そういうこともあるのう。
でも読んでくれる声優さんって、どんな人なんですか?
それは。
みんな息を呑んだ。
次のエピソードで!!
みんな一斉にズルっとコケた。
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登場人物紹介

長原キラ ながはらキラ:エビコー鉄研の部長。みんなに『総裁』と呼ばれている。「さふである!」など口調がやたら特徴ある子。このエビコー鉄研を創部した張本人。『乙女のたしなみ・テツ道』を掲げて鉄道模型などテツ活動の充実に邁進中。

葛城御波 かつらぎ みなみ:国語洞察力に優れたアイドル並み容姿の子。でも密かに変態。しかしイマジネーション能力は随一。


武者小路詩音 むしゃのこうじ しおん:鉄研内で、模型の腕は随一。高校入学が遅れたので、実は他のみんなより年上。鉄道・運輸工学教授の娘で、超癒し系の超お嬢様。模型テツとしての腕前も一級。


芦塚ツバメ あしづかツバメ:イラストと模型作りに優れた子。イラストの腕前は超高校級。「ヒドイっ」が口癖。


中川華子 なかがわ はなこ:鉄道趣味向けに特化した食堂『サハシ』の娘。写真撮影と料理が得意。バカにされるとすぐ反応してしまう。

鹿川カオル かぬか カオル:ダイヤ鉄。超頭脳明晰で、鉄道会社のダイヤをアルバイトで組んでしまうほどの『ダイヤ鉄』。プロ将棋棋士を目指し奨励会所属。王子と呼ばれるほどハンサムな女の子。電子回路やプログラミングが得意。

田島ミエ たじまみえ:総裁の古くからの友人。凄腕の模型テツ。鉄研のみんなと一緒に大洗などを旅行したものの、関西在住で滅多に会えない。なおかつその実像は不明。

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