第37話 「の」号作戦・準備(7月)

文字数 2,495文字

うむ、「の」号作戦の実施要領である。


まず、NovelJamを盛り上げる方法。

盛り上げることできるんですか? リモート開催で。
まず参加者の一体感を演出することが大事であろう。

それについては我が著者の盟友、波野發作氏のディレクションを活かすのが肝要と見た。

彼はガンダム趣味もさることながらテーブルトークRPGなどにも造詣が深い。

ゲームメークについてはまさに最適任であろう。彼に従う中で演出を考えるのが最適であると思う。

波野さん、カバーキーパーとして電子書籍にも書籍編集でも力がお有りですわ。
そして我が情けない著者の数少ない理解者でもあるぞよ。
そんな著者さんをけちょんけちょんに言わなくても。
ふぬ、著者などそこらへんの草でも食わせておけばよいのだ。
また著者いじめする。ひどいっ。
まず、その中で考えたのが、配信をいかにもTV番組のようにすることを考えた。

TVはここまでの歴史の中で長い時間の動画を見てもらうためのノウハウを積み重ねておる。

その歴史に学ぶのが早道と考えた。


そこで作ったのがOPとEDの動画であるのだ。

いかにも夏開催っぽい感じだけど、どっか昭和の匂いがする。
ワタクシ、昭和リスペクトであるからのう。
いや、それは総裁の趣味でしょ。心配だなあ。今は令和ですよ。
昭和テイストは運営も参加者の世代にもミートすると考えたのだ。
趣味を押し通してるのは変わんないよね。
EDはこうした。
またこれも昭和テイストだし、なんでバックにこの前乗った寝台特急「サンライズ出雲」の車窓動画使ってるのー?
画面が動かないのは困るので仮にアリモノの動画を入れたのだが、タイミングを合わせると割と物語性もあってこれは楽しいと思ったのだ。
上りサンライズの朝の品川駅停車寸前から東京駅到着までの車窓ですね。A寝台個室「シングルDX」からの風景。
品川から東京までの短い区間なのに新幹線がムキになって追い抜きにかかってくるのも、一度停車して東京駅にまた到着するのもメタファーのようで良いと思うたのだ。
この歌はHON.jpにゆかりの深い池田敬二さんの歌、「エキストラたちの咆哮」ですわね。HON.jpのイベントに参加したときに聴いたと思いますわ。
歌詞の内容的にもNovelJamのアンセムとしてふさわしいと思うたのだ。
でもこの2曲、許諾関係大丈夫なんですか?
OP曲はDOVA-Syndromeというサイトで公開されているフリー音源なり。


フリーBGM素材「A!OH!(1chorus_ver.)」試聴ページ|フリーBGM DOVA-SYNDROME
https://dova-s.jp/bgm/play14523.html

こんなエモい曲があるんですね……ちょっとびっくりしました。
我が鉄研のフラッグシップ・周遊列車あまつかぜのテーマ曲にした「ラヴァンディーア」もそのDOVA-Syndromeで公開されている曲なのだ。現代の音楽の世界はこのようにも拡大しておる。感謝なり。
でも池田さんの曲は? 作詞作曲・池田さんと思っていましたが、池田さんに許諾をとったのですか?
当然そうしたのだ。池田さんは快諾してくれた。だが池田さんは管理を委託している会社がある。ゆえその会社からの警告の通知がyoutubeのシステムから来てしまう。
では無理なのでは。
とはいえ原著作者の池田さんの許諾を得たことは大きい。委託会社のyoutube経由の警告よりも原著作者の池田さんの許諾のほうが効力が大きいのだ。ゆえ、警告は出るが、それは動画の収益化ができない以外のデメリットはない。もともと今回の配信の収益化はHON.jpも考えていないので、実際の問題は発生しないと考えたのだ。
あと、この動画、わたくしたちのyoutube鉄道模型チャンネル「北急電鉄」にアップしてありますわね。大丈夫なのでしょうか。
うむ。これは試作したサンプルゆえ、HON.jpさんのyoutubeチャンネルにアップするまでもないと判断した。まだこのとき著者はHON.jpの会員ではなかったので立て付け的にHON.jpのチャンネルの権限を受けるのはよろしくなかったのだ。でも後に会員となって開催準備ができたのだが、このときはまだであったのでやむをえぬのだ。
そうだったのですか。でもこの動画はどっちみち収益化できないのは同じですから問題は軽微ですわね。
さふなり。さすが詩音くん、そういうことについて気が及ぶのは良いことなり。
HON.jpのイベントで著作権に詳しい弁護士の福井健策先生のお話をうかがいましたので、注意するようになりましたわ。
他にもジングルもDOVA-Syndromeで探した。本来なら音楽を作れるヤング鉄くんにオリジナルのものの作曲を発注したかったのだが、波野さんに自腹は駄目、と却下された。たしかにそれはよろしくない。

ほかにも波野さんにこういった案を提出しても気づいてくれないというという軽微なトラブルもあり、オンライン開催の難しさについてそこから学びを得ることも早めにできた。7月中旬の段階である。

軽微なトラブル、って……。
著者がくだらぬことを普段から波野さんにチャットで送りつけすぎていて、肝心の連絡が埋もれてしもうたのだ。これも著者が悪い著者が。
それは著者さん悪いよね。
でも波野さんは生存報告はマメに、といってくれてもおる。
波野さん優しいなあ…。
我が著者は人に恵まれておるのだ。その自覚が足りぬ。
そうかもしれませんわねえ。
その他使用する曲はこうまとめたのである。こうして検討しやすくするとともに、配信のイメージがためも図った。
このスライドショーの写真、めちゃくちゃかっこいいですね。
HON.jpの会員の写真趣味のあるみなさんの力作なり。過去のNovelJamで撮影された写真なのだ。創作に挑む参加者の苦悩と感動を活写した素晴らしいものである。実にエモいぞ。
素敵だなあ。
これらは波野氏にも満足してもらえた。実に欣快なり。


こうして順調に準備が進んでいった。そして8月を迎えた。開催は8月13・14・15日。あと半月を迎える。

え、なにかあるんですか? そこで。
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登場人物紹介

長原キラ ながはらキラ:エビコー鉄研の部長。みんなに『総裁』と呼ばれている。「さふである!」など口調がやたら特徴ある子。このエビコー鉄研を創部した張本人。『乙女のたしなみ・テツ道』を掲げて鉄道模型などテツ活動の充実に邁進中。

葛城御波 かつらぎ みなみ:国語洞察力に優れたアイドル並み容姿の子。でも密かに変態。しかしイマジネーション能力は随一。


武者小路詩音 むしゃのこうじ しおん:鉄研内で、模型の腕は随一。高校入学が遅れたので、実は他のみんなより年上。鉄道・運輸工学教授の娘で、超癒し系の超お嬢様。模型テツとしての腕前も一級。


芦塚ツバメ あしづかツバメ:イラストと模型作りに優れた子。イラストの腕前は超高校級。「ヒドイっ」が口癖。


中川華子 なかがわ はなこ:鉄道趣味向けに特化した食堂『サハシ』の娘。写真撮影と料理が得意。バカにされるとすぐ反応してしまう。

鹿川カオル かぬか カオル:ダイヤ鉄。超頭脳明晰で、鉄道会社のダイヤをアルバイトで組んでしまうほどの『ダイヤ鉄』。プロ将棋棋士を目指し奨励会所属。王子と呼ばれるほどハンサムな女の子。電子回路やプログラミングが得意。

田島ミエ たじまみえ:総裁の古くからの友人。凄腕の模型テツ。鉄研のみんなと一緒に大洗などを旅行したものの、関西在住で滅多に会えない。なおかつその実像は不明。

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