第39話 新母艦PC、進空!

文字数 2,204文字

前回は新母艦機のパーツを紹介するところで終わってしもうた。
マザーボードはこれである。
ちょっとケチりましたね、値段優先で探したんですね。
カオルくんにはバレてしまうのう……。実際そうなのだ。
それでも日本語マニュアルが添付されておるのはありがたいことなり。


と言いつつ、このキャラは何であろうか…。

前からありましたよね。こういう謎のキャラが入ったマザボのパッケージ。

元ネタあるんでしょうか。ただの趣味で入ってるのかなあ。

わからぬ…。嫌いではないのだが、わからぬ…。
通販に発注したパーツが徐々に揃ってきた。
あ、メモリはどうしたんですか。いくつ積みます?
16Gのメモリを2枚で32Gにしたのだ。

だが値段優先で買おうとしたら間違えて周波数が低いものを買いそうになった。

あわててさらに値段優先で調べた周波数の合うメモリ、なかなか安くてよかったのだが…なんと、これ、動作中に光るのだ。

うっ、いまどきのゲーミングなんとかってやつですね。
ほかにも価格優先で買ったCPUクーラーもケースもマザボも光るのだ。虹色に。
今の流行りですもんね。
まあ、PC内部の動作を眺めることなどPC作業中にはまずないからどうということはないのだが。

こういう製品は数が出るものの量産効果が大きいことを学ぶことができた。

でも量産効果の出ないものもあるんですけど、それを理解してない人もいますね。
うむ、嘆かわしいことなり。物の値段というものは実に難しいのに。


パーツがすべて到着して、いよいよ組み立てに入るのだ。

これは我が著者にPCを組み立てさせておる様子。16倍速の動画になっておる。
説明書とiPadを何度も見てるねー。
組み立て方を確認しながらの作業である。


それでも組み立て中に時折「ミシッ」という音がしたりして肝を冷やした。

特にCPUをマザーボードに取り付けるときの「ミシッ」は心臓に悪かった。

そりゃそうですよ。失敗したらCPU45000円とマザボ10000円が一気にパーですから。
youtubeで「破産寸前のヨシダでーす!」の吉田製作所さんがウケる理由が少しわかったのだ。

そういう怖いシーンほど傍目で見るのは面白いからのう…。

わかりますねえ。
同じく破産寸前の我が著者はそれができぬからいろいろイマイチなのだ。覚悟が足らぬ覚悟が。
でも最後ちゃんとモニターにBIOS画面出てますね。組み立て成功ですね。
うむ。いろいろ肝を冷やしたりしたが、なんとか行った。

そしてOS、Windows10をインストールする。

Windows11はまだですもんね。
9月のリリースを待ってはおられぬからの。

今回使ったOSはUSBメモリからインストールするもの。プロダクトキーも読みやすいカードに印刷されておってなかなか楽であった。

しかもやはりPCは速さが正義。インストールもサクッと終わってくれた。

そうですね。……あれっ、他のみんながいない!
終わった? 私達にぜんぜんわかんないPCの話してるから、その間私たちトランプして待ってた。
トランプって時間つぶしには最強だねー。
御波さんトランプ強すぎですわ。
エロいトランプゲームのキャラ並みじゃない。って、エロとかいっちゃって私ひどいっ。
ツバメちゃんもすぐそういう変態発言するんだから。
もー。さっぱり理解する気ないんだもんなあ。みんな。
うむ、わからない話をする相手を尊重するもう一つのあるべきやり方かも知れぬ。
そうかなあ。
でもこのPCの支払い、大丈夫なの?
8月には6月に著者がめちゃくちゃバイトのシフトに入って働いたぶんの収入が来るのだ。それでなんと一括払いでまかなえるかもしれぬのだ。
えっ、そんなに貰えるんですか! ひどいっ。
8月ぶんの入金は毎年多めであるのだ。そしてバイトも最近始めた在宅バイトが順調。ありがたいことなり。
世の中みんなこのコロナ禍で苦しい中、収入が順調というのはほんと、ありがたいことですわね。まして感染リスクのない完全在宅なんて。
我が著者はそういうことへの感謝が足らぬ。感謝せよ著者。
ほんとピカピカ光るねー。すごーい。
だがしかし…。
えっ、なにかこのあとあったの?
組み立てもOSやよく使うアプリのインストールも無事に済んだのだが。
アプリで調べたCPUの温度がこれである。

これで見ていると、CPU稼働率40%程度で温度が100℃に達し、そこで稼働率が打ち止めになるのがわかった。

まさか、…冷却性能不足?
おそらくそうであるのだ。今回選んだ一番安い空冷CPUクーラーの限界かもしれぬ。
えっ、もしかすると、この新母艦、現実的には全能力の半分しか使えないの!?
おそらく。
ひいい。ケチったらそんなオチが付くなんて。ひどすぎる!
それでも3倍の半分は使えるので、旧母艦よりも性能は向上しておるのだが。

あと空冷よりもさらに冷却力を期待できる簡易液冷クーラーは、今回の空冷クーラーの値段の3倍以上するのだ。

うっ、予算的には詰んじゃいましたね。
こうなった時点でNovelJamに投入するには簡易液冷に交換する時間の余裕はない。

これでいくしかないのだ。


覚悟を決めるしかなくなった。

うまく行けばいいんだけど…。
配信デスクは最終的にこうなった。
液晶パネルがいちにー…で8枚!?

PCが4台? それにケータイとiPad!?

これを駆使してNovelJam配信をがんばるのだ。もうほかに道はなし!


そうしているうちにもう開会まで1週間を切るのである!

つづきます。
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登場人物紹介

長原キラ ながはらキラ:エビコー鉄研の部長。みんなに『総裁』と呼ばれている。「さふである!」など口調がやたら特徴ある子。このエビコー鉄研を創部した張本人。『乙女のたしなみ・テツ道』を掲げて鉄道模型などテツ活動の充実に邁進中。

葛城御波 かつらぎ みなみ:国語洞察力に優れたアイドル並み容姿の子。でも密かに変態。しかしイマジネーション能力は随一。


武者小路詩音 むしゃのこうじ しおん:鉄研内で、模型の腕は随一。高校入学が遅れたので、実は他のみんなより年上。鉄道・運輸工学教授の娘で、超癒し系の超お嬢様。模型テツとしての腕前も一級。


芦塚ツバメ あしづかツバメ:イラストと模型作りに優れた子。イラストの腕前は超高校級。「ヒドイっ」が口癖。


中川華子 なかがわ はなこ:鉄道趣味向けに特化した食堂『サハシ』の娘。写真撮影と料理が得意。バカにされるとすぐ反応してしまう。

鹿川カオル かぬか カオル:ダイヤ鉄。超頭脳明晰で、鉄道会社のダイヤをアルバイトで組んでしまうほどの『ダイヤ鉄』。プロ将棋棋士を目指し奨励会所属。王子と呼ばれるほどハンサムな女の子。電子回路やプログラミングが得意。

田島ミエ たじまみえ:総裁の古くからの友人。凄腕の模型テツ。鉄研のみんなと一緒に大洗などを旅行したものの、関西在住で滅多に会えない。なおかつその実像は不明。

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