上陸作戦前夜

文字数 3,550文字

うむ、今回の出展はなにしろモノが小さく、また説明の必要なモノも多い。また搬入前に時間がある。そこで、その出展効果をさらに効果的にするため、さらに用意をしたのである。
まずこれは当日説明用パンフレットである! JAM会場で配布は禁止のため、ラミネートして、ご観覧の皆様が自由に閲覧可能にしたのであるな。
そして告知YouTube動画なり。これで出展することをフォロワーの皆様、読者諸賢に告知したのである!
うわー、手間かかってるなー。
情熱のかけ方が尋常じゃありませんわ。まさにやり過ぎですわ。
そして車両の整備である。展示当日に走行不良や室内灯ちらつきなどあっては実に情けない。ゆえ、入念に整備を行った。しかし!
あれ、オリジナル周遊列車「あまつかぜ」じゃないですか。これがどうしたんですか?
実は、密かに先頭車のオリジナルシャーシの走行不良が露見しておってのう……。そこで、思い切って原因究明に挑んだのだ。
「あまつかぜ」といえばこちらにわたくしたちがその製作記をしたためておりますわ。もしよろしければ。

BCCKS / ブックス - 『エビコー鉄研部誌:シーカムラインvol.1』米田淳一著


ここから各電子書籍書店で購入可能ですわ。以上CMでした。

そこで一番急なカントカーブで走行姿勢を調べたら、こうなっておった!
ひいいい! 車輪が浮いて、フランジでかろうじて支えてる! ヒドいッ!
原因を調べたところ、自作した集電シューがスプリングにならずに台車のロール運動を阻んでおった。それゆえ、カントレール通過時に台車が追従しなかったのだ。

ゆえ、集電シューの取り付け方式を改善したのであるな。

解決したんですね。よかったー!
うむ、時間がちょうどあったので、ここは十分な検討が出来たのだ。
AT-Z、現代装甲列車だねー。これもどうかしたのー?
これは最後尾のテールランプがちらつきが激しかった。ゆえ足回りを点検したら、なんと! メチャメチャ車輪が汚れておった! しかもトラクションタイヤのゴムのごとき頑丈で分厚い汚れの膜が付いておった!
そんなになんで汚れたんですか。おかしいなあ。
うむ、どうやらレールに塗布する通電向上オイルに頼りすぎて、そのオイルに埃を巻き込んで斯様な分厚い膜が形成されたと思われるのだな。ゆえ、ピンセットの先ででひっかいて除去、さらにクリーナーで清掃して何とかなったのだ。
現代装甲列車は最後尾以外は全部集電機能を必要としませんから、なかなか手入れする機会がありませんわね。でもそのまま走っていたらその汚れをレールに付けてしまい、他の集電の必要な列車に迷惑をかけてしまいますわね。清掃する機会があって良かったですわ。
ここで総裁がなんで照れてるんですか! 総裁、ちゃんと後片付けしてないからですよ。ヒドいッ。
今度はEFY500じゃないですか。1994年に著者が作ったというEF81の魔改造機関車。これがどうしたんです?
うむ、透明プラ板で作った窓ガラスが一箇所欠けておった。ゆえ、またプラ板を使って作り直したのであるな。
けっこういろいろ車両にもダメージがあったんだねー。
旅芸人のようにあちこちで展示してるからかも知れませんね。
鉄道模型芸人となれれば良いのだが、まだまだその域に達するには甘いからのう……。反省なり。
そして持ち込み車両の整備はこのようになった。結構持っていくことになってしもうた。
持ち込み6センチマイクロセクションの運搬ケースはこのようになった。これでばっちり固定したので、ハンドキャリーでの持ち込みに不安はなくなるのであった。しかし!
え、何があったんですか?
なんと3つ持ち込むうち、最後の一つのケースの作成寸前に作成を依頼した方がギックリ腰になってしまい、作業不能となってしもうだのだ!
何という……サイアク、間に合わないじゃないですか! ヒドいッ。
うむ、それでも展示は可能であったのだが、ちょいビビったのであるな。結果最終的にはギックリ腰で出来ない作業を別の人がやって、組み立ては普通に実施されたので間に合ったのである。
びっくりするなー、もう。
また、ミエ君がセットし忘れた人形のセットも作成したのだ。幸い店頭に人形の在庫があったので、それで作成することが出来た。ストーリーを考えながら人形を配置するのは楽しいのであるな。
わかりますわ。人形を見ていると、どういうシーンが起きているのか、どんどん妄想がはかどりますわ。わたくしも大好きな作業です。
ちょうどその日は「オリエントエクスプレス殺人事件」の映画をテレビで放映しておってのう。車両の内装を観察して楽しんでしまっておったぞよ。でもそうやって見ていると、だんだんポワロとかが邪魔に思えてきたのであるな……。
本来の見方と違っていてヒドスギル! でも鉄道ファンとしては仕方のないところかも知れませんね。ヒドいッ。
なおかつ朝は「けものフレンズ」の再放送が始まっておった……。

まさかの深夜アニメの朝の枠での再放送というミラクル。話題性は最大であった。

ほんと、私のジャパリバス1/150とかジャパリトレインとかの展示に猛烈な追い風状況でした。でもそれなのに、私の住んでる兵庫県ではこの再放送やってなかったんですよ……。
えええええ! ヒドいッ!
テレビ放送って、この今でも地域間格差がありますよね。こんなんでいいんでしょうか。
うむ、日本の放送行政というモノに疑問ビビビなのである!
ちなみにこれはミエ君のところで作っておったサーバルちゃん・かばんちゃん・ボス1/150フィギュアなのである! ちなみに左右の体操着の子が改造のベースとなったフィギュアである!
ひいいい! 非常識に細かい作業! こんなのよく作れましたね! ヒドいッ。
ツバメちゃん、これはヒドいというよりすごい、だから。
恐縮であります!
搬入日のワタクシの荷物はこのようなモノになるのだった。
すごい大荷物。たいへんですわ。
そしてJAM会期中の天気予報も確認。幸い台風は来ないようである!
でも、これがあとで大変なことに……。
えええっ、何が起こったんですか!
私、まさかあんなことが起きるなんて思わずに、そのころ、ジャパリトレインの最後の追い込みやってました……。
ええー、どうなっちゃうのー? 搬入日はこの次の日でしょー?
うむ、ワタクシはそんなことは想像もせずに、準備を終えて、ミエ君とあのナゾ工場の、工場の仕事に対して大きすぎる三連煙突のことについてのバカ話をしておったのだ……。
総裁、車両工場にしてはあの煙突大きすぎるよね、って今更言うんですよー。まあ、私もせっかく買った煙突セットに入ってる煙突全部使っちゃった、ってだけなんですけどね。
うむ、結局そのバカ話では、あの煙突は結局、煙突ではなかったモノを煙突として再利用しているという嘘の歴史があったことに落ち着いてしもうたのだ。
ええっ、煙突じゃなかったら、一体何だったんですか?
まさかの「超長射程垂直式三連装砲」ということにしてしもうたのだ。WW1でドイツから導入したまぼろしの長射程砲を日本で実験用に設置、垂直に巨弾を打ち上げてそれを誘導によって四国沖などに着弾させるという代物で、WW2戦時中にはB-29に射撃したところその衝撃波にビビった米軍はこれに近寄るのを避け、その結果この周囲の村は空襲を免れた。それゆえ、構造上解体も面倒だし周囲の人々も記念に残して欲しいとのことで、1つしか煙突として使ってはおらぬが3連煙突のように今も立っておる、という話なのだ……。
それがUSO 00800認証品質……。さすがですわ。
さすがじゃないですー! ウソ話過ぎてヒドいッ!
それ以来、この工場の地下に砲弾装填施設などがあると想像すると、その構造などの妄想がはかどってオランジーナが進んで仕方がないのだ……。
わかりますわ、そのお気持ち。
わかりますわ、じゃなーい。ヒドいッ!
またワタクシは読者諸賢への暑中見舞いとしてまた一肌脱いだのであるな。
また競泳水着とか! 総裁変態過ぎます! 不健全です! ヒドいッ!
ああああ、もうダメだ、この話! 妄想まみれの不健全でPVはゼロだわ!
うむ、しかし局所的好評なのでもっとやっていこうかと思うておったのだが。
局所的好評って一体何なんですか。ほんと、変な方向に行ってますよ。
まあ、こんな混乱ながら、いよいよ次回、搬入日、Dデイなのである! ミエ君の梱包が無事開梱出来るか! ビッグサイトへの輸送作戦は成功するのか! まさに風雲急を告げ疾風怒濤、驚天動地、豪放磊落、阿鼻叫喚、支離滅裂、唯我独尊、焼売弁当の旅がいよいよ始まるのである!
またヘンなの一杯混じってるし……。ともかく、続くんですね……。
さふであるのだ!
というわけで次回は搬入日のお話です。
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登場人物紹介

長原キラ ながはらキラ:エビコー鉄研の部長。みんなに『総裁』と呼ばれている。「さふである!」など口調がやたら特徴ある子。このエビコー鉄研を創部した張本人。『乙女のたしなみ・テツ道』を掲げて鉄道模型などテツ活動の充実に邁進中。

葛城御波 かつらぎ みなみ:国語洞察力に優れたアイドル並み容姿の子。でも密かに変態。しかしイマジネーション能力は随一。


武者小路詩音 むしゃのこうじ しおん:鉄研内で、模型の腕は随一。高校入学が遅れたので、実は他のみんなより年上。鉄道・運輸工学教授の娘で、超癒し系の超お嬢様。模型テツとしての腕前も一級。


芦塚ツバメ あしづかツバメ:イラストと模型作りに優れた子。イラストの腕前は超高校級。「ヒドイっ」が口癖。


中川華子 なかがわ はなこ:鉄道趣味向けに特化した食堂『サハシ』の娘。写真撮影と料理が得意。バカにされるとすぐ反応してしまう。

鹿川カオル かぬか カオル:ダイヤ鉄。超頭脳明晰で、鉄道会社のダイヤをアルバイトで組んでしまうほどの『ダイヤ鉄』。プロ将棋棋士を目指し奨励会所属。王子と呼ばれるほどハンサムな女の子。電子回路やプログラミングが得意。

田島ミエ たじまみえ:総裁の古くからの友人。凄腕の模型テツ。鉄研のみんなと一緒に大洗などを旅行したものの、関西在住で滅多に会えない。なおかつその実像は不明。

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