第1章 第1話
文字数 761文字
今日のキャディーは、最悪だ。
愛想がなく仏頂面で、俺が最高の当たりのティーショットを打っても、たった一言
「(フェアウエー)真ん中でーす」
セカンドショットをダフってしまい、ボールはグリーン手前にポトリと落ちる。
「ディボット埋めてくださーい」
今度は逆に寄せをトップさせグリーンをオーバーしてしまう。
「(ハー)クラブ何にします?」
パターで何とかグリーンに乗せる。
「下りでーす」
分かってるよ、みりゃ誰だって分かるだろ!
2メートルオーバー。
「上りでーす」
殺意が湧いてくる。この女、俺にダボすら許さないつもりなのか…
「後ろ来てるんで急いでくださーい」
カップの3センチ手前で無常にも転がりを拒否したボールを拾い、そのキャディの後頭部めがけて思いっきりぶつけ…る訳にもいかず、オッケーをくれたリューさんに震えながらアザーすと吐き捨てる。
「おいー雄大。ゴルフはメンタルのスポーツなんだぞー。いつもは冷静沈着のお前がトリプルボギーくらいで心乱すなよー。キャハ」
クソっ 今日こそ100を切れると信じていたのに… 昨日の練習場ではあれだけナイスショット連発だったのに…
リューさんにさすが雄大! と言わせる筈だったのに…
このホールをパーで終えたリューさんの背中を睨みながら、そしてその先をダルそうに歩くクソキャディを睨みながら俺は徐々に足が重くなってくるのを感じる。
ふと空を見上げる。汗が一筋。秋晴れの真っ青な空だけが俺を優しく労ってくれている気がして、やっと心が落ち着いてくる。
よし。次のホールこそ。距離の短いパー3。イメトレは昨日キッチリ済ませてある。バーディー取って、今のトリをチャラにするぞ!
メンタルの切り替え。かつて野球で培ったこの特技を使えば、ほら、あのグリーン手前の池でさえ、風情のある景色に見えてくる。
愛想がなく仏頂面で、俺が最高の当たりのティーショットを打っても、たった一言
「(フェアウエー)真ん中でーす」
セカンドショットをダフってしまい、ボールはグリーン手前にポトリと落ちる。
「ディボット埋めてくださーい」
今度は逆に寄せをトップさせグリーンをオーバーしてしまう。
「(ハー)クラブ何にします?」
パターで何とかグリーンに乗せる。
「下りでーす」
分かってるよ、みりゃ誰だって分かるだろ!
2メートルオーバー。
「上りでーす」
殺意が湧いてくる。この女、俺にダボすら許さないつもりなのか…
「後ろ来てるんで急いでくださーい」
カップの3センチ手前で無常にも転がりを拒否したボールを拾い、そのキャディの後頭部めがけて思いっきりぶつけ…る訳にもいかず、オッケーをくれたリューさんに震えながらアザーすと吐き捨てる。
「おいー雄大。ゴルフはメンタルのスポーツなんだぞー。いつもは冷静沈着のお前がトリプルボギーくらいで心乱すなよー。キャハ」
クソっ 今日こそ100を切れると信じていたのに… 昨日の練習場ではあれだけナイスショット連発だったのに…
リューさんにさすが雄大! と言わせる筈だったのに…
このホールをパーで終えたリューさんの背中を睨みながら、そしてその先をダルそうに歩くクソキャディを睨みながら俺は徐々に足が重くなってくるのを感じる。
ふと空を見上げる。汗が一筋。秋晴れの真っ青な空だけが俺を優しく労ってくれている気がして、やっと心が落ち着いてくる。
よし。次のホールこそ。距離の短いパー3。イメトレは昨日キッチリ済ませてある。バーディー取って、今のトリをチャラにするぞ!
メンタルの切り替え。かつて野球で培ったこの特技を使えば、ほら、あのグリーン手前の池でさえ、風情のある景色に見えてくる。