第5章(1)
文字数 5,615文字
小春たちは朝から市ヶ谷のカフェに集まっていた。
帝王学講義は10時から始まる予定だが、その前に3人だけで示し合わせて極秘の会議を持とうということになったのである。
言いながら、小春は自分のスマホを取り出して電話をかけた。
すぐに相手が応答する。
それから3人は、時間が許す限り様々な事業案を出していった。
賃貸マンションを借りて、そこを外国人旅行者にホテルのように使ってもらう民泊事業については、格安プランから高級路線まで議論した。また、ビル購入の代わりに、自動販売機を設置して日銭を稼ぐ案なども真剣に話し合った。それから3人は、改めて事業案をそれぞれで考えてみることを約束し合い、もうすぐ10時といった頃合いを見計らって本社執務室へと向かったのだった。
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