第7章(4)
文字数 3,728文字
小春たちは、玄七郎に対して地球連合のすべての経緯を話して聞かせていた。
ゼリスト建物管理から清掃業を請け負うようになったこと、請負価格は採算ラインの限界点なため儲かっているとは言いづらいこと、地球連合の設立登記が完了したこと、各種の銀行からは追い払われたこと、信用金庫に何とか法人口座を開設できたこと、無人店舗事業を考え始めたこと、その物件の調査のなかで弁天町の店舗物件を買おうとしていること、物件について信用金庫の融資の審査中であること、日本政策金融公庫には打診したものの桜丈ホールディングス社長に就任しているせいで難色を示されたこと。
これら全ては、法人運営に慣れている人であれば気にも留めるほどではなく、何気ない出来事の連続なのかもしれない。だが小春たちにとっては初めてのことばかりで、予想外の衝撃もあり、目まぐるしい展開だった。
そうした成り行きを黙って聞いていた玄七郎は、小春の話が終わると、小さく相槌を打つ。
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