第6章(5)
文字数 1,298文字
地球連合株式会社の設立登記が完了したので、法務局で取得した登記簿謄本を持参して、小春は新宿駅最寄りのメガバンク窓口を訪ねていた。
小雪と千景は、ゼリスト建物管理が回してきた清掃業務のほうに対応中だ。今日は午前と午後に分けて小ぶりの2案件を請け負っている。小春も銀行でやることが済めば、清掃現場に合流して手伝う予定だった。
銀行に入ると、案内役の女性行員が丁寧に聞いてくる。
奥に入っていったので、小春は席に腰掛けて待った。
3分くらい大人しくしていると、中年の銀行員が声をかけてくる。
小春は懸命に押し問答したが、どんなに粘っても銀行員の反応が変わる様子はなかった。
それから小春は、新宿駅界隈のメガバンクだけでなく、地方銀行にも一つ一つ足を運んだ。合計6つ。しかし驚くべきことに、すべての銀行が似たり寄ったりの対応で、小春は何もできず追い返されてしまっていた。まさに文字通りの門前払い。
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