第23話 2月9日 誰が為に

文字数 2,941文字

この懺悔録は、謂わば私自身のカウンセリングである。
しかし、昨日色々とあり、
ふと止めようとも考えたのだが、
それはそれ、な訳で、またこうして、書いている。

昨晩、結句、まあ、またやっちまったのだが、
その内容はというと、語るも涕、書くも涕の物語なのだ。

ってどうせガールズバーで散財して、
金無くなって、ああ、明日からどうしよう、って内容なんだろ?

うるせいうるせいうるせぇええええええええええええええいい!!!
…まあそうなんだけど。

ってやっぱそうなんじゃねぇか莫迦!
せっかく錬金して乗り切ろうとしてたのに何考えてんだよ!

ふぅ…、まあまあ、そう青筋たてるなって。

昨日、夕方頃のことである。
私は近所のツ〇ヤへと、
そこそこ研究し終えたゲームソフトを売りに行った。

「いらっしゃいませ。買取ですね?」
「あ、はい。これです。」
「かしこまりました、ありがとうございます。
 …えーっと、状態も問題ないので、
 買取金額はこちらとなりますが、どうなさいますか?」

3千8百円

「…はい、お願いします。」

私は各種手続きを行い、そして、現金を受け取った。

「ありがとうございました!
 またのご来店、お待ちしております。」
「はい、どうも。」

さ、3千、8百円、3千8百円!?
さんぜんはっぴゃくえん!!!!??…だ、と…?

いぃいいいいいいいいいいいいいいよっしゃああああああああああああ!!!
これで来週乗り切れるぜぇええええええええええええ!!!!

中年野良猫は3千8百円を手に入れた!
中年野良猫は知力が上がった!
中年野良猫は生命力が上がった!
中年野良猫は野良猫根性が上がった!
中年野良猫は徳が下がった!
中年野良猫は精神不安定状態から回復した!

私はその場で狂喜乱舞しそうになったが、
なんとかその気持ちを押し殺したのだった。

「いやぁ~、よかったよかった。
 ん?あれ?後輩から連絡来てるな。」

「あつさん、お疲れ様です。
 今終わったので後程向かいます。
 18時半頃にそちらに着くと思います。」

「あ、そうか、あいつ今日婚活相手との食事で、
 その後飲もうって俺誘ってたっけ。
 はいはい、よろしく~っと。」

ってお前、飲む約束してたの?

みたい。
(そもそも忘れてたのかよ…)

金、あんの?

うん、今作った。

それ使っちゃったら来週からどうすんの?

…あっ。

「あっ」じゃねぇええええええええええええええええ!!!!!
お前ほんっと莫迦だな!!!
後先何も考えてねぇのな!!!!
マジで野良猫だな!!!
もうどうすんだよぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!

まあまあ、安心し給えよ。
ゲームソフトは、後2本ある!!!!(ドンッ!!!!!)



ん?

…そういう問題じゃなくてな。
そもそもな、38歳にもなって、預貯金はおろか、
その日に使う金も無く、借銭も出来ず、
ゲームソフトを売ってその日暮らしをするなんざ、
どういうことなんだよぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!

うっせぇなぁ、俺だって知らねぇよぉ。

ちげぇ莫迦!!!!
お前ぇが何も考えてねぇだけなんだぁあああああああああ!!!!
ほんっと、どんな38歳なんだよぉおおおおおおおおお!!!
頼むよ俺ぇえええええええええええええええええええ!!!!

という訳で、先述した私を慕う後輩の婚活話も聞きたかったので、
私は飲みに行くことにしたのである。
なに、いつもの居酒屋でボトルも入っていることだし、
独り頭2千円程度で済む。


…しばらくして、

「お~う、お疲れ様!おまたせ。」
「あ、お疲れ様です!生、注文しておきました。」
「さんきゅうさんきゅう。」

18時半からの開演は、21時半まで続き、
結句ここの会計は独り頭2千ちょいだったので、私が3千円払い、
残金8百円でフィニッシュしたのだ。

まあ、そもそも持っていた全財産の
1千4百円で今週分の食材は買い揃えたし、
売れるゲームソフト2本も残っているし、
これを売れば8千円程度にはなるわけで。

要するにだ、大事ない。うん、大事ない。
…はずだったのだ、が…。

いやぁ~…
飲み会の終盤、
後輩に言われたことが突き刺さって未だに悩んでいる。

「あつさん、その書いてるってやつ、悪いとはいいません。
 でも、そんなに身を窶して迄やることなんですか?
 そもそも、ガールズバーにも行ってほしくありません。
 俺は、あつさんの書いたゲームを一緒に創りたいんです。
 あつさんが創った×××や、ボツになったって言ってましたけど、
 あの新規プロットだって、最高に面白かったんですよ!」
「…は、はい。」
「あつさん、書いてください!新作作ってください!
 俺は一緒に創りたいんです!!!」
「…そっかぁ。だよなぁ~。俺、今、なぁ~んもやってねぇよなぁ。」
「あつさんなら創れるんですって!そもそも創ってきたじゃないですか!」
「…だよなぁ。」
「…すみません。俺ごときが生意気言って。でも、本音です。
 あなたじゃなきゃ、ダメなんですよ。」
「いやいや、気にすんな。…俺も目ぇ覚めたよ。」

あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!

お前良い奴だなぁああああああああああああああああああああああ!!!!
でもネタづくりのために身を窶してる訳じゃねぇからぁあああああああ!!!
ほんとにクズなだけだからぁああああああああああああああ!!!
酒に溺れて女性に甘えたいだけだからぁあああああああああああああ!!!!

ふぅ~…。

端的に言えば、諧謔の中に身を置き、それを書き綴ることよりも、
以前のようにガリガリ書いて、バリバリ創ってもらいたい、
そして、彼はその手伝いをしたい、と、まあそういう訳なのだ…。

あまり深く考えず、クヨクヨせず、悩んだりもしない私なのだが、
さすがに後輩にここまで熱く説教されるとどうしたものかと考えてしまう。

しかし、内容がどう変わってゆこうが、
私はこの日々の懺悔録を続けてゆこうと考えている。

何よりも、私自身のために。

そして、こんな中年野良猫を観て、
自分のがまだマシだと、少しでも元気になって貰えれば幸いである。

そしてこの後何が起きたのか、続きはまたのお楽しみ。


さぁ~て!明日の野良猫さんわぁ!?

中年野良猫です。
ここ最近、寒くて寒くて仕方ありませんよねぇ?
僕も、あれぇ~って思い返してみたら、
三面窓のカーテンの尺は足りてないし、
うち、そもそも掛布団だけで毛布はないし、
なんだかなぁ、てへっ♪って感じで
独りで笑っちゃいました!

さて次回は、

・後輩、婚活について語る
・野良猫、決死の売却
・邂逅、彼女は女子大生

の三本です

明日もまた読んでくださいね!
じゃん!けん!

ってマジやめろぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
怒られる奴だぞそれぇええええええ!!!
もう自分のことネタにしすぎだろぉ…

うふふふふふふふ♪
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