第32話 2月13日 見る角度
文字数 2,522文字
帰宅途中のことである。
「16歳の…ありのまま」
「なんだこりゃ?」
私は立ち寄ったコンビニで、
ある漫画雑誌を手に取った。
「うっわ、オッ〇イでっけぇなぁ…。
これで16歳なの?…まあ、性の対象にゃあならねぇけど。」
豊満バディを惜しげもなく曝け出す、
所謂グラビアアイドルの掲載写真をパラパラと眺めていた。
「しっかし、俺の彼女や娘がこんなことしたら
絶対ぇヤダよなぁ~。
彼女だった場合、自分だけにエロい女性がいいし、
俺にしかこんなエロい身体見せてほしくねぇよなぁ。
まあ、そもそも俺は脚や尻が好きだから、
そこまでオッ〇イには興味ねぇんだよなぁ~。
ああ、今日日「フェチ」なんて言葉が横行しているが、
あれはそもそも「性癖」って意味だか…」
うるせぇええええええええええええええええええええ!!!
うっるせぇえええええええええええええええええええええええ!!!
ジジイ気持ち悪ぃんだよ!!!!!
誰が中年野良猫のそんな話聞きてぇんだよ莫迦!!!!
さっさと買い物して帰れ!!!
はいはい、うるせぇなぁ。
…え~っと、納豆!
よし!
え?
え?
…それだけ?
うん、これだけ。
…あ、そう。
おう!
残っている油揚げを半分に切って、
その中に長ネギとかき混ぜた納豆を投入!
口を爪楊枝で閉じ、
弱火で少し焼け目がつくまで焼けば出来上がり!
…案外家庭的なんだな。
まーね!
家族のために料理作ってたし。
へぇ~。
それでいて捨てられたなんて、
よっぽど素行が悪かったんだなぁ。
うるせい!
所詮野良は野良だ。
鈴付けたって何したって、野良は野良なんだよ。
まあ、それでもいい、って言ってくれる人が一番だな。
うん、マジでそれは同感。
野良猫は好意を恥じることなくぶつけるから、
気がついたら相手はそれに胡坐かいてるんじゃねぇか?
その通り!
俺もそうだったから解る!
…お前もかよ。
おう!
これだけは猛省してる!
実際やられてこんなに辛いものかとビックリした。
今後俺に優しい女性にはそれ以上に優しくしようと思ってる!
…多分!!!
自信たっぷり「多分!!!」とか言うなタコ助!!!
それと、そもそもいい加減に野良猫根性捨てろ!!!
「しっかし、今日は暖かかったなぁ。」
私は買い物を終え、帰宅。
「ただいま~」
…
…
…
誰も居ないと解っていても言ってしまうそれと、
何を言っても返ってこないそれに、
私はもうすっかり慣れてしまった。
「今日もアッツイ風呂にへぇ~って、晩酌して、
嫌なこと忘れるぞい!」
今日のこと。
しかし、可笑しな時代である。
プロジェクトのプロデューサーに呼び出され、
「ああ、また態度が悪いとか怖いとか、そんな話かなぁ?」
くらいに思っていたのだが、
「いやぁ~Pさんに呼び出されたってことは、
俺、また何かやっちゃいました?」
「はっはっは!いやぁ~、まあ何と言いますか…」
「結構静かにしていたはずだったんですけどねぇ。」
「えっとですね、野良さん。単刀直入に申しますと…」
「はい。」
「野良さんのガールズバーの話が嫌だという案件がですね、
総務経由で届いてしまいまして…」
はぁああああああああああああああああああああああああ!!!!???
このP、ゲームは作れず向上心もそこまでないのだが、
腰も低く、酒好きで面白い方ではあった。
そして、古いタイプの人でもあるので、
ある程度、私の行動も大目に見ていてもくれたのだが…
「えっ!?」
「はい、ホント、え?ですよねぇ。」
「…ご、ゴメンなさい、不謹慎ですけど…
笑っちゃいますねぇ!がっはっはっはっは!!!」
「もうホントなんですよねぇ!!!」
掻い摘んで説明すれば、
私がたまに雑談でしている、
ガールズバーに行っただの行かなかっただの、
(ここで書いているような内容ではない!)
他愛も無いそんな話なのだが、
それが聞くに堪えられない、という相談が、
総務部に届いたというのだ。
おいおいおい、誰でもいいが、私の周りにいる女性陣には、
この上なく嫌気が差してはいるものの、
何一つ注意はしていないはずだぞ?
…俺の方こそ泣きつきたいくれぇだわ!!!!
ハラスメント、というものは受け取る人間で決められてしまうもの。
よって、どんな些細なことであれ、
相手がそれをそうだと言ったら、そうなってしまうのだ。
なんだよ!言ったもん勝ちじゃねぇかよ!!!!
その通りである。
超大手である前社でパワハラ講習を受け、
顧問弁護士にさんざ論理的に説明し、
その弁明を求めたのだが、
「それはよしなに。」
だの、
「上に立つ者は、下に気遣うことも、下を守ることも、
業務の一環と理解して頂ければ。」
の一点張りであった。
「では我々、上の立場の者は誰が守ってくれるのですか?
少数の仕事のできない者たちのために、
クオリティを下げ、売り上げを落とし、会社の看板に泥を塗り、
それでも問題ない、そう仰っているのですか?」
「いえいえ、ですから、それも含めて上司の業務となります。」
ああ、思い出したらムカついてきた…
昨今、言われも無いハラスメントの訴えでもって、
無能な自意識過剰の部下に、逆に潰されてしまう上司が多いらしい。
話を戻そう。
「野良さん、大変申し訳ございませんが、
もう今はそういう時代だと、飽く迄組織だということを、
どうかご理解頂ければと思います。」
「いえいえ、こちらこそ大変ご迷惑をお掛け致しました。
はい、周りの者たちとも共有し、
以後発言には気を付けるようにして参ります。」
あああああああああああああああああああああ!!!!
クッソめんどくせぇえええええええなぁああああああああああ!!!!
「ふぃ~、風呂が気持ちいいぜぇ~!
心の洗濯とは、ミ〇トさんも良いこというぜぇ~!!!」
みなさんも、厭なことがあったら、
是非あっつい風呂に入って心のリフレッシュしてくださいね!!!
「16歳の…ありのまま」
「なんだこりゃ?」
私は立ち寄ったコンビニで、
ある漫画雑誌を手に取った。
「うっわ、オッ〇イでっけぇなぁ…。
これで16歳なの?…まあ、性の対象にゃあならねぇけど。」
豊満バディを惜しげもなく曝け出す、
所謂グラビアアイドルの掲載写真をパラパラと眺めていた。
「しっかし、俺の彼女や娘がこんなことしたら
絶対ぇヤダよなぁ~。
彼女だった場合、自分だけにエロい女性がいいし、
俺にしかこんなエロい身体見せてほしくねぇよなぁ。
まあ、そもそも俺は脚や尻が好きだから、
そこまでオッ〇イには興味ねぇんだよなぁ~。
ああ、今日日「フェチ」なんて言葉が横行しているが、
あれはそもそも「性癖」って意味だか…」
うるせぇええええええええええええええええええええ!!!
うっるせぇえええええええええええええええええええええええ!!!
ジジイ気持ち悪ぃんだよ!!!!!
誰が中年野良猫のそんな話聞きてぇんだよ莫迦!!!!
さっさと買い物して帰れ!!!
はいはい、うるせぇなぁ。
…え~っと、納豆!
よし!
え?
え?
…それだけ?
うん、これだけ。
…あ、そう。
おう!
残っている油揚げを半分に切って、
その中に長ネギとかき混ぜた納豆を投入!
口を爪楊枝で閉じ、
弱火で少し焼け目がつくまで焼けば出来上がり!
…案外家庭的なんだな。
まーね!
家族のために料理作ってたし。
へぇ~。
それでいて捨てられたなんて、
よっぽど素行が悪かったんだなぁ。
うるせい!
所詮野良は野良だ。
鈴付けたって何したって、野良は野良なんだよ。
まあ、それでもいい、って言ってくれる人が一番だな。
うん、マジでそれは同感。
野良猫は好意を恥じることなくぶつけるから、
気がついたら相手はそれに胡坐かいてるんじゃねぇか?
その通り!
俺もそうだったから解る!
…お前もかよ。
おう!
これだけは猛省してる!
実際やられてこんなに辛いものかとビックリした。
今後俺に優しい女性にはそれ以上に優しくしようと思ってる!
…多分!!!
自信たっぷり「多分!!!」とか言うなタコ助!!!
それと、そもそもいい加減に野良猫根性捨てろ!!!
「しっかし、今日は暖かかったなぁ。」
私は買い物を終え、帰宅。
「ただいま~」
…
…
…
誰も居ないと解っていても言ってしまうそれと、
何を言っても返ってこないそれに、
私はもうすっかり慣れてしまった。
「今日もアッツイ風呂にへぇ~って、晩酌して、
嫌なこと忘れるぞい!」
今日のこと。
しかし、可笑しな時代である。
プロジェクトのプロデューサーに呼び出され、
「ああ、また態度が悪いとか怖いとか、そんな話かなぁ?」
くらいに思っていたのだが、
「いやぁ~Pさんに呼び出されたってことは、
俺、また何かやっちゃいました?」
「はっはっは!いやぁ~、まあ何と言いますか…」
「結構静かにしていたはずだったんですけどねぇ。」
「えっとですね、野良さん。単刀直入に申しますと…」
「はい。」
「野良さんのガールズバーの話が嫌だという案件がですね、
総務経由で届いてしまいまして…」
はぁああああああああああああああああああああああああ!!!!???
このP、ゲームは作れず向上心もそこまでないのだが、
腰も低く、酒好きで面白い方ではあった。
そして、古いタイプの人でもあるので、
ある程度、私の行動も大目に見ていてもくれたのだが…
「えっ!?」
「はい、ホント、え?ですよねぇ。」
「…ご、ゴメンなさい、不謹慎ですけど…
笑っちゃいますねぇ!がっはっはっはっは!!!」
「もうホントなんですよねぇ!!!」
掻い摘んで説明すれば、
私がたまに雑談でしている、
ガールズバーに行っただの行かなかっただの、
(ここで書いているような内容ではない!)
他愛も無いそんな話なのだが、
それが聞くに堪えられない、という相談が、
総務部に届いたというのだ。
おいおいおい、誰でもいいが、私の周りにいる女性陣には、
この上なく嫌気が差してはいるものの、
何一つ注意はしていないはずだぞ?
…俺の方こそ泣きつきたいくれぇだわ!!!!
ハラスメント、というものは受け取る人間で決められてしまうもの。
よって、どんな些細なことであれ、
相手がそれをそうだと言ったら、そうなってしまうのだ。
なんだよ!言ったもん勝ちじゃねぇかよ!!!!
その通りである。
超大手である前社でパワハラ講習を受け、
顧問弁護士にさんざ論理的に説明し、
その弁明を求めたのだが、
「それはよしなに。」
だの、
「上に立つ者は、下に気遣うことも、下を守ることも、
業務の一環と理解して頂ければ。」
の一点張りであった。
「では我々、上の立場の者は誰が守ってくれるのですか?
少数の仕事のできない者たちのために、
クオリティを下げ、売り上げを落とし、会社の看板に泥を塗り、
それでも問題ない、そう仰っているのですか?」
「いえいえ、ですから、それも含めて上司の業務となります。」
ああ、思い出したらムカついてきた…
昨今、言われも無いハラスメントの訴えでもって、
無能な自意識過剰の部下に、逆に潰されてしまう上司が多いらしい。
話を戻そう。
「野良さん、大変申し訳ございませんが、
もう今はそういう時代だと、飽く迄組織だということを、
どうかご理解頂ければと思います。」
「いえいえ、こちらこそ大変ご迷惑をお掛け致しました。
はい、周りの者たちとも共有し、
以後発言には気を付けるようにして参ります。」
あああああああああああああああああああああ!!!!
クッソめんどくせぇえええええええなぁああああああああああ!!!!
「ふぃ~、風呂が気持ちいいぜぇ~!
心の洗濯とは、ミ〇トさんも良いこというぜぇ~!!!」
みなさんも、厭なことがあったら、
是非あっつい風呂に入って心のリフレッシュしてくださいね!!!