第57話 2月26日 主人公

文字数 1,718文字

今日は本当に最悪な一日になってしまった。
口に出すだけでどうにかなってしまいそうなので、
敢えて何も言わずにいよう。

ただ、こんな時はパァーっとやりたくなってしまうが、
まあ、そんな相手も金も無いので、
ゆっくりと風呂に浸かって、晩酌をしようと思う。

最近、本当にこのままでいいのか、と、
色々と考えることがある。
歳でもなんでもない。
今の仕事が詰まらないのだ。

誰が良いとか悪いとか、
出来るとか出来ないとか、
そういった話ではない。

飼い犬の群れに野良猫が一匹混ざって、
見よう見真似でそんなフリをしても、
うん、どう考えたって上手くいくはずはない。

しかし、しかしだ。
生きてゆくためにはある程度の金が必要だ。
私はそれを捨て去る勇気など持ち合わせてはおらず、
詰まるところ、酒と女性に逃げてみては、
日頃の鬱憤、鬱蒼を晴らしているだけなのだろう。

正直な話、今からガールズバーかキャバクラへ行って、
有り金全部、〇コムから借り入れしてそれも全部、
何もかも使い果たしたい気分だ。

まぁしかし、いい歳こいて情けのない話だ。
私は弱い。どう仕様もない。
酒癖が悪く、女性癖も悪い。
甘えん坊で淋しがりなクセに、我儘で気分屋だ。

誰かしら何かしらの何かを抱え、背負いながら、
そんなものだと半ば諦観的になりながらも、
それでも自棄を起こさず、上手に生きている。
本当に尊敬する。

引き換え私はどうだ。

自覚がある人間は大丈夫とのことなので、
その言葉に甘え、そしてみなさんを見習い、
今日はゆっくりと心を落ち着けようと思う。




なぁんて言うと思ったかぁあああああああああああああああ!!!!
あっつい風呂にへぇーって野良猫復活じゃぁあああああああああ!!!
絶対ぇに俺はめげねぇし、絶対ぇに負けねぇ。
世界中が敵になったって俺は俺自身で戦い続けてやる!!!

あんなゴミかすのような料理をお客様に出す様な会社、
こっちから願い下げじゃぁああああああああああああああああ!!!
いつか独立して、大成してぇ、大金持ちになってぇ、
タワマンで乱〇パーティーするんじゃぁああああああああああああああああ!!!

莫迦手前ぇ!!!!
途中まで良かったのに最後ぉおおおおおおおおおおおお!!!
そういうとこぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!

しっかしなぁ、ゲームってのも、料理と一緒で、
お客様をもてなす、喜ばせる、ってのが根本なのによぉ~。
どいつもこいつも恥ずかしくねぇのかねぇ。

うんうん、正しい。
だが、その鬱憤を酒や夜の姉ちゃんで誤魔化しているお前も大概だからな。

ああ、そうだな。
何だか目が覚めてきたよ。

お?

俺は何度も捨てられてズタボロになってきたが、
何度でも立ち上がって今に至る。
ここじゃあ言えねぇような世界タイトルも創らせてもらったぁ!!!
だから、このまんま社会の歯車になるなんてまっぴらごめんだね!!!

…珍しく、いいじゃん。

おぉおおおおおおおおおおおおうううう!!!!
色々と吹っ切れたぜぇええええええええええええええ!!!!
金はねぇが命はある。おかげさまでギリギリ健康だ。
だから、こいつを賭ければ、ある程度のことは
何だって出来るぅううううううううううううううううううううう!!!!

うんうん!いいね。
ただな、あんまし勢いつけすぎるなよ?
周りは敵ばかりだからな。

任せろいぃいいい!!!
能ある野良猫はなぁ、猫かぶって犬のフリすんだよ!!!

…あ、あのぉ、それって、結局、そのぉ、野良ね…

うるせいうるせいうるせぇええええええええええええええいい!!!

…まぁ、いっかぁ。

おぉおおおおおおおおおおし!!!
気合入ってきたぜぇえええええええええええ!!!

みなさんも滅入った時はあっつい風呂に入って、
嫌なことスッキリさせちゃいましょう!!!!!!

大丈夫!!!!
ゲームと同じで、あなたの人生の主人公はあなたですから!!!

…まあ、よかったのかな?
…でも、調子に乗って、また飲みすぎたり、夜の遊びしねぇようにな…。
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