第53話 2月25日 寝聡い

文字数 1,871文字

それなりの宿酔の中、夢の国から帰還。

7時半、起床。

昨晩、晩酌をしながら映画を鑑賞し、
洗い物をした後、0時前には就寝したのだが、
夜中に何度も目を覚ました。

花粉症の諸症状、寒さ、
そして、アルコールによる睡眠の妨げ、
である。

起床時はいつも怠いのだが、
ある程度ルーティーンをこなしてゆけば、
元通りに回復する。

そしてあることに気づく。

そもそも、曜日感覚が滅茶苦茶になっていた私は、
レンタルした映画の返却日を誤っていたのだ。
日曜日に返却予定だったので、今朝返せばいいか。
…あれ?昨日は日曜日ではなく、月曜日。

「あああああああああああああ!!!
 延滞料もったいねぇえええええええええええええ!!!!」

とりあえず、店の開店前に返却すれば、
延滞料金は何とか一日分で済む。

私は常より早く家を出て、駅までの道のりを遠回りし、
映画を返却、そして駅へと向かう。
が、遅延…。
電車が途中で止まり、往生を食らうと発作が起き易くなる。
故に路線を変更。

しかし、朝から3百5十円のマイナスとは、本当に気が滅入る。
昨晩食した贅沢品でもある、カマンベールチーズが
購えるではないか!!!

「…ちくしょう。
 でも、厭なことのあとには良いこと起きるからいっか!」

でた!超絶単細胞思考!!!!
手前ぇそんだけケチるんならお姉ちゃんとの…

あああああああああああああああああああああ!!!!
聞こえない聞こえない…。

いつもと違う路線を使用し、
数駅目のことである。

「うお!!!!」

すげぇタイプの美人さんがご乗車!!!
しかも互いに二度見したぁあああああああ!!!

…ちがうちがう、
それ、お前変質者扱いされただけだからな…
…危険察知されただけだから…

マスクで六十四割マシだとしても、
私は構わない!!!

それぇえええええええええええええええ!!!!
すげぇ失礼ぃいいいいいいいいいいいいいい!!!
マジやめろ中年野良猫!!!!
気持ち悪ぃんだよいい歳こいてぇえええええええ!!!!
万年発情期かタコ助ぇえええええええええええええ!!!!

…はいはい。
しかしなぁ、うん、やっぱ良いこと起きた!
朝、返却を忘れていなければこの時間に乗車することはなく、
更に言えば普段利用している路線が遅延していなければ、
この美人さんに逢うことは出来なかったのだ。
ああ、俺は世界で一番ついてるなぁ~。
3百5十円以上の価値あるわぁ~。

お前他人様を物扱いするんじゃねぇ!!!
値段どうのこうの関係ねぇだろうがぁあああああああ!!!

そうかぁ?
損したのならば、その分楽しまなければな。
まあ、それも意識の持ちようだ。
「損した~損した~」「良いこと起きない~」
「あたしだけぇ~」
なぁ~んて言ってても、つまらねぇだろ?

…そうだけどさぁ。

んじゃあその分、どっかにいいことねぇかなぁ?
いいこと見つけてやるぜぇえええ!!!
って、意識変換していかなくちゃあな!!!

…昨晩お前ぇやっちまったことで落ち込んでたろ…。

あっつい風呂へぇ~って、酒飲んで一晩ねりゃあ
仕舞!!!!

…ほんと、都合のいい性格してんなぁ~。
だからお前は猫だぁ、野良猫だって、
却って女性に嫌がられるんだよ。

そうかぁ?
男はサパっとしてた方がいいだろう!?

いやいや、お前の場合、極端すぎるんだってぇ。
…だから、何考えているのか解らないって、
気味悪がられるのさ。

う~ん…。

…その実、何も考えていないのだろうけどな。

そのとぉおおおおおおおおおおおりぃいいいいいいいいい!!!!
さすが俺!!!
よく解ってるじゃねぇか。

…ふぅ~。
あのなぁ、否定はしねぇが、
それ結構知らずに他人傷つけるから
気ぃつけろよ?

へぇ~。
あっそう。

って少しは気にしろぉおおおおおおおおおおお!!!!
中年野良猫さい〇ぱ〇ぅうううううううううううう!!!!


通勤電車の中では、
今私が制作に携わらせて頂いているスマホゲームを少しプレイし、
それからは一切スマホを見ない。
本を読むか、ほぼ周りの人間を観ている。
これがまた面白いし、美人を見かければラッキーな気持ちにもなる。
スマホなんて、物を調べるには便利だが、
あんな小さな画面の先に何があるというのか。
私には皆目見当つかん。

まあ、お前がお姉ちゃんの店に散財していることも
他人様には皆目見当つけねぇだろうがな!!!!

うっせぇー!!!
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