第7話 デスクワーク

文字数 823文字

介護士と聞けば、多くの人はお年寄りのお世話をする仕事だと想像すると思います。
確かに、介護士の1番大切な業務は、お年寄りの相手をすることで、それ以上に大切なことはありません。

しかし、パソコンを使用し、書類整理を行うなど、デスクワークと呼ばれる業務がないか?と聞かれれば、否、なのです。

必ず、毎日行わなければなりません。

医師や看護師が、患者さんへどんな薬を使って、どんな状態で、その結果どうなったか? という記録を取るのと同じように、介護士も、記録を取るのです。

例えば、認知症の方に対して、こんなことを言ったら怒られた、こんな言葉を使ったら上手くいった、こんな風に接したら楽しそうにしていた……などなど。
そんな記録を毎日つけるのです。

これを行うことで、別の職員が対応する時の参考になりますし、他職種と連携する時にも、記録として残るため、重宝するのです。

ただ、このデスクワークに関して……

それぞれの施設、事業所によって、様式が違っていたり、書く内容もバラバラであったり、場合によっては『記録を書く時間』が設けられていないこともあるのです。

また、介護士も人間ですから、得意不得意があります。
パソコンに馴染みのない職員が、記録を書くのに時間がかかり、本来の仕事である『お年寄りのお世話』ができない……なんてことも、よくある光景です。

介護士はお年寄りの世話をしていれば、それだけでお金がもらえる仕事、ではないのです。

日常の様子や、行事の起案書、対応が変わった時のカンファレンス、事故が起こってしまった時の報告書……などなど。
パソコンを使用する機会が多い仕事なのです。


もしも、介護士に対して、『老人の世話をしていればお金がもらえる仕事』というイメージを持っておられる方がいらっしゃいましたら、この機会に、そうではないということを覚えていただけると幸いです。

おそらく、介護士の言う『忙しい』は、皆さんが想像しているよりも、ずっと忙しいと思います。

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