第25話 これからの介護

文字数 916文字

これからの介護業界は、どのように変わっていくか?

そう問われて、皆さんはどんな回答を思い浮かべるでしょうか?

・人手不足がより一層深刻になる。
・機械化が進む

そんな回答をされる方が多いのではないでしょうか?
それも1つだと思います。

しかし、私が勤める職場において、よく話題にあがるのは

『利用者(お年寄り)への対応が、より複雑化するのではないか?』

ということです。

そもそも、お年寄りと聞いて、皆さんはどんな人たちを想像するでしょうか?
演歌や民謡が好きで、戦争の話や農業の話をする、白髪で腰の曲がった人たち。
そんなイメージはないでしょうか?


もちろんそのイメージは間違いではなく、今現在、施設を利用している方々は、そういった人が多いです。

では、これからはどうでしょうか?

スマホを使い、車やバイクを乗りこなし、最前線で働いてきた、そういう人たちが、お年寄りになるのです。
『歌』といっても、演歌や民謡を好んで聞く人はどのくらいいるでしょうか?

また、介護士として働いてきた人たちも、施設に入ることが増えてくるでしょう。

そうなった時、今のように、『お年寄り』とひとくくりにし、画一的な対応をすれば、間違いなく不満が噴出します。

正直な話、今、現場で働いている身としては、そんな人たちの相手をしたいとは思いません。


今のお年寄りは、『介護職』という職種自体があやふやな時代を生きてきた方々なのです。

そのため、『お世話をしてもらってありがたい』という気持ちを持つ方が多くいます。

ところが、これからお年寄りとなる人にとって、『介護士』はいるのが当たり前であり、既にイメージとして持っている方が多いのです。

少しでも間違ったことをしたら、なにを言われるか、どんなクレームが来るか、分かったものではありません。


今、現場で働いている介護職員の中で、この先ずっと、介護職員として働いていこうと考えている人間はどのくらいいるでしょうか?


これから先、今以上に、繊細な対応、一人ひとりに合わせた介護が必要となる中で、既に人手が不足しているのです。

新しい人材を育てることと同時に、今働いている、この先も戦力となり得る人たちを、『介護を続けたい』と思わせて欲しいです。


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