第3話 体調管理

文字数 1,064文字

社会人であれば、体調管理はできて当たり前、必須事項と言って良いですよね。
介護士にとっても、それは同じです。

しかし、

・喉が痛いけど熱はない
・頭が痛いけど熱はない

こういった時、皆さんは欠勤しますか?
おそらく、多くの方が『休まない』と答えるでしょう。近年、コロナウイルスの影響等で、その辺りの考え方にも変化が見られていますが、それでも、よほど酷くなければ『熱がないのに仕事を休む』という選択はしないと思います。

……と、私も思っていました。

私自身の経験ですが……
介護職に就いて、まだ1年ほどの頃、『多少咳が出て、喉の痛みはある、でも熱はない』そんな微妙な体調になりました。
私は、休んだら迷惑になると思い、咳止めの薬を飲み、のど飴を持って出勤し、仕事をしました。

喉の痛みは一過性のものだったようで、私自身は翌日に回復し、体調も戻りました。


ところが、御利用者(お年寄り)は違いました。
私が担当した御利用者は、その日の夕方あたりから一斉に喉の痛みや咳を訴えたのです。
中には、それが原因で肺炎となり、入院してしまった方もいました。


私自身は『熱もなく、ちょっと咳が出て、喉が痛いな』という症状であったにも関わらず、です。

若者とお年寄りでは、免疫力、抵抗力が違うということは、知識として知ってはいましたが、私自身、まさか!?という気持ちでした。

自分が直接の原因となり、誰かが大切にしている人を入院に追い込んでしまったのです。
普段とは違う体調だと気付いていながら、出勤という選択を取ってしまったことを、とても後悔しました。

上司からも、体調がおかしいと感じたなら、出勤する前に、相談してくれと強く注意されました。

それ以後、私は常に自分の健康に気を払うようになり、少しでも異常を感じると、すぐに受診し、療養しています。

それほど、お年寄りと関わる上では、体調管理は欠かせないものなのです。

また、
介護に限らず、福祉関係者に対して、医療従事者とは違うのだから、そこまで徹底しなくても良いのではないか? という意見を目にしたことがありますが、現役介護士としては、『徹底しないといけないんだよ!』と思います。


医療現場だけが最前線ではありません。


皆さんは、『喉が痛いけど熱はない』、そんな時、どうしますか?

もし、無理に出勤して、その結果、誰かを入院に追い込んでしまったとしたら……。

コロナ云々に限らず、大前提として、介護職員は、常にそんな気持ちを持って働いています。

皆さんは、少しの体調不良も許されない中で働くプレッシャーを、考えたことはありますか?


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