第21話 大阪の事件

文字数 960文字

先日、大阪にて、訪問介護中に利用者である女性に対し、暴行、虐待(殺人未遂)で介護職員が逮捕されました。

その介護職員は、『言うことを聞かないからいらついた。殺そうと思って殴ったわけではない』と話しているとか……。

こうしたニュースが報道されるたびに、いろんな意見を目にします。

こういうニュースを見るたびに、私は思うことがあります。


『気持ちは分かる』


です。
もちろん、実行に移すことはありません。
あってはなりません。
相手が誰であろうと、どんな人であろうと、暴力は論外です。特に、介護士として、『仕事』として、御利用者に接しているわけですから、嫌なことがあったからと、その人を殴っていいはずがありません。

難しい御利用者ならば、それをどうするか?職員間で情報を共有し、皆で対策を考えて、対応していくのが介護士のあり方です。

そこが、腕の見せどころです。

ですが、それでも、

『気持ちは分かる』

と思ってしまう部分があることも事実です。

何を言っても、どう接しても、誰か相手をしても、まったく話が通じず、
そんな人と毎日のように会わなければならず、
罵倒され、馬鹿にされ、人格を否定するようなことを言われ、時には、暴力を振るわれることもある。


それが、介護という仕事です。


それは、当たり前ですか?
それは、仕事だから仕方ないですか?

接し方が悪いとか、ちゃんとコミュニケーションを取れば……とか、そんな聞こえの良い言葉は言われなくても分かっているのです。

それでもどうにもならない人がいるのも、事実です。

簡単に、『あり得ない』と、外野から言っておられる皆さん、
是非、介護現場を覗いてみてください。


あなたが、接してみてください。


繰り返しになりますが、
大前提として、虐待はNGです。暴行なんてもってのほかです。

けれど、やるかやらないかの差であって、同じような思いを抱いている介護士は、全国にいると思います。

だから、全く別の施設、全く別の場所で、同じようなことが起こり、こういうニュースが後を絶たないのです。

皆さんは、職場において、人権は守られていますか?

罵倒されていませんか?

唾を飛ばされたり、つねられたり、殴られたり、蹴られたり、股間をまさぐられたり、胸を揉まれたりしていませんか?



御利用者は、介護士が守ります。



誰か、介護士を守ってください。



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