第15話 長期休み

文字数 1,436文字

皆さんは、2日連続の休みを『連休』と捉えますか?
それとも、『普通の休み』と捉えますか?

施設種別や、シフトの組み方によって、多少の差はありますが、
介護士にとって、2日間の休みは、『連休』と捉えることが多いです。

介護の仕事は、基本的に365日、年中無休の体制が敷かれています。

なぜかと言えば、ご家族の都合に合わせているからです。

介護以外でも、365日営業している施設は多くありますよね?
つまりその分、そこで働いている方々がいらっしゃるわけで……そうなると必然的に、介護も365日働かざるを得なくなります。

ご家族の介護がなければ、生活することが困難な御利用者がいる以上、介護士もそれに合わせる必要があるのです。


さて、では、それを踏まえた上で、もう一つお聞きします。


ゴールデンウィーク、お盆、年末年始……


世間で言う、『長期休み』ですが、介護士はそういった休みがあるでしょうか?

お分かりかと思いますが、ありません。

もし、どうしても長期休みを取得したい場合は、有給休暇を申請するなど、上司へかけ合い、調整してもらって、なんとかお休みをいただいている状況です。

では、長期休みがない分、他で休みが多いのか?と言われると……微妙なところです。

確かに、3連休以上の休みがない分、全ての月で、休日が10日間程度は保証されており、土日休みの方々より、休みが多くなる月もあります。

一方で、『夜勤明け』(夜勤終わりで朝、帰宅するような日)も休日と捉えられる場合もあり、そうした場合、せっかくの休みでも、寝ていたら終わった、なんてこともよくあります。

また、『シフト勤務あるある』だと思うのですが、例えば、

出勤、出勤、出勤、
休み、
出勤、出勤、
休み、
出勤、出勤……

というシフトあったとして。
普段、5連勤をこなしておられる方から見ると、間に休みが入っていて良いな、と思われるかもしれませんが、

では、その休みに、買い物など外に出る用事があったり、家事をしなければならなかったり、あるいは、疲れて1日休養していたり……そうした場合、どうでしょうか?

2日間休みがあれば、もう1日を好きなことをして過ごす時間にできますが、翌日は出勤日です。

休日を休日として使えなかった場合などは、実質、6日間以上連続で動かなければならなかったりします。


休み自体は多いかもしれませんが、普段の生活を合わせると、果たして、土日休みとどちらが良いのか?
微妙なところだと思っています。


また、実は、ゴールデンウィークやお盆、年末年始は、逆に、御利用者が増えることもあります。

これは、ご家族が旅行に行かれたり、帰省されたりするためで、その結果、普段とは違った変則的な利用になる御利用者も多くいます。

要は、介護施設においては、長期休みだからといって、御利用者が減ることはありませんし、勤務する職員の動きも変わらないということです。


皆さんは、考えたことはありますか?


年末年始、誰かのオムツを交換している間に年が変わっていたとか、
認知症の方の相手をしていたらゴールデンウィークが終わっていたとか、
お盆くらい家に帰せと騒ぐ御利用者の相手をしていたら、自分も帰省できずに終わったとか、

そんなことを想像したことはありますか?


もちろん、そういった仕事を請け負うための、福祉サービスです。
利用していただいて構いません。


ただ、そこで働いている介護士がいることも、頭の片隅に入れていただけると幸いです。

長期休み、のんびり、楽しく、お過ごしください。


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