第119話 精子を提供?

文字数 4,464文字

【カフェバー「Route72」】

夜、悠斗と池本がテーブル席で、アルコールを飲みながら会話している。

空きっ腹で飲んでいるので、結構、頭がクラクラと回っている二人。

そこに真彩と優衣が店に入って来る。

松本「いらっしゃい!」
と言って、真彩と優衣に微笑む。

悠斗、テーブル席から真彩と優衣に手を振り、手招きする。

真彩、悠斗の横に座り、
真彩「早かったんだね。待たせてゴメンね」
と言って、悠斗に微笑む真彩。

そして、池本に、
「今晩は!」
と言って、笑顔で挨拶する真彩。

優衣も池本に、
優衣「今晩は! 結構飲んだね!」
と言って、池本の顔を見る。

真彩「池もっちゃん、顔赤いけど、もう出来上がっちゃってる?」

池本「いや、まだそんなに飲んでないよ」
と言いつつ、顔が赤いし、目がトロンとしている。

真彩「悠斗も、酔ってるでしょ?!」

悠斗「あぁ、ちょっと頭、クラクラ、回ってる。空きっ腹で飲んだから……」
と言って微笑む悠斗。

そこに、店主である松本がやって来る。

松本「お疲れー!」

真彩「ホント、疲れたよ。私、生中ね! 優衣ちゃんは?」

優衣「私も生中お願い!」

松本「はーい。シーフードカレーは用意してあるからね!」
と言って微笑む松本。

真彩「ありがと!」

そして松本、厨房に行く。

池本「あぁ、そうだ、二人の意見も聞きたい!」
と、急に言い出す池本。

悠斗「おい!」
と言って、悠斗、怪訝な顔をする。

悠斗(心の声)「喋るなよ! 池本!」
と、心の中で願ってる悠斗。

しかし、
真彩「えっ? 何の話?」
と、微笑みながら池本に聴く真彩。

池本「あのさぁー……」
と池本が言うと、咳払いする悠斗。

しかし、池本、悠斗の咳払いを気にする事なく、話し出す。

池本「大学時代の女の先輩なんだけどね、何年も付き合ってた彼氏がいて、当然、その彼氏と結婚して、子どもも欲しいって思ってたら、その彼氏さんに思い切って聞いたんだよね、結婚する気あるの?……って……」

真彩「へーぇ……」

池本「そしたらさー、結婚する気なくて、子どもも欲しくないって、先輩にはっきり言ったらしい」

優衣「わぁ、それはあんまりだわ。一生結婚出来なくて、子どもも産めないなんて……早くその人と別れて、新しい彼氏つくった方が良いよ、絶対」

真彩「うん、私もそう思う」

池本「うん。だから別れたんだって……」

真彩「別れて正解だよね」

優衣「今の時代は、マッチングアプリとかあるし、出会いの手段、増えたから」

真彩「えぇ? でも、それってどうなの? 詐欺とか勧誘とかのトラブルが多いからさぁー」

優衣「でも、信頼できる所だったら、良いんじゃない? 実際に、私の先輩、それで結婚したから」

真彩「えぇ、そうなんだ……」

池本「ちゃんとした所だったら、プロフィール書いてるから、付き合う前に相手の素性分かって良いと思うけど」

真彩「でも、なりすましとか、嘘つく人って絶対いるでしょ? 写真だって、加工してるだろうし……」

優衣「あぁ、先輩の場合は、ちゃんとした結婚相談所がやってる所に登録してたから、安心だって言ってた。その分、値段が高いけどね。でも、そこで良かったって言ってた」

真彩「へーぇ。でもさぁー、自分の顔写真を色んな人が見て、これはマル、これはバツとか、判別されるって、嫌だね……」

優衣「まぁ、それは嫌だけど、案外、慣れると自分の趣向に近付くから面白いかもね。なーんて」

真彩「そうかなぁー?……」

池本「でもその先輩、昔から両親の仲が悪くて、喧嘩が絶えなくて離婚したから、別に結婚したいと思ってなくて、でも、子どもは欲しいっていう気持ちが強くなって、今、精子を提供してくれる人、探してるんだよね」

優衣「はぁ? シングルマザーになるって事?」

池本「うん。どうしても自分の子が欲しいんだって……」

真彩「でも、どうやって生活して行くんだろう? 仕事休まないといけないから、周りに誰か助けてくれる人がいないと無理だし、経済的に一人じゃ大変だよね」

池本「先輩、結構、友達多くて、助けてくれる人が何人かいるって言ってた」

優衣「ふーん……でも、そこまでして?……って思っちゃう」

真彩「子どもを産める機能を女性は持ってる訳だから、精子さえあれば良い訳だ。でも、子どもを育てるって、大変だと思うわ。私なら、先ず、経済的なこと考えちゃうもん」

優衣「だよね。義務教育の中学卒業までで、約千九百万円が必要って、何かに書いてた」

真彩「という事は、私立の大学なら、理系だったら六百万近くいる訳だから、あぁ、いやもっとか、寮じゃなくてアパート借りたら一千万位掛かるよね? 高校だって私立とか高いし……えぇー、なんやかんやで三千万位掛かる?」

優衣「凄い額だよね。だから、大学まで出して貰ってるって、親に感謝しかないよね……」

真彩「ホントだね……もっとパパとママに感謝しなくっちゃ」

優衣「えぇ、でもその先輩、精子を提供してくれる人を探してるって、体外受精するって事?」
と、池本の顔を見て、首をかしげて聴く優衣。

池本「いや、そんな金の掛かる事はしないって。只単に、性行為して、子どもをつくりたいって事」

優衣「なんだ。でも、精子を提供してくれる人が見つかったら、誰でも良いって事? 妻子ある人でも良いって事かな?」

池本「あぁ、始めは誰でも良いって思ってたらしいけど、でも、どうせなら、自分の理想とする人の子が欲しいってなって……」

優衣「へーぇ……」

池本「で、先輩がターゲットとしてるのが、悠斗」

真彩「えっ?」

優衣「はぁ?!」

池本「先輩、悠斗の事、可愛がってたからさぁー、もし彼氏と付き合ってなかったら、悠斗をアタックしてたって言ってたから」

真彩「ふーん」

真彩、平常心を保っているが、悠斗の目には、明らかに不機嫌になった真彩の心を感じている。

悠斗(心の声)「池本よ、お前、ベラベラ喋り過ぎ!」

悠斗、池本を睨む。

そこに松本が、トレイに、おしぼりと、生中のビール二つを持ってやって来る。

松本「お待たせ!」

真彩「あぁ、有難う」
と言ってグラスに入ったビール二つを取り、一つを優衣の目の前に置く真彩。

松本「じゃー、皆んな揃ったから、シーフードカレー持って来て良いかな?」

真彩「うん。有難う」
と言って、松本に微笑む真彩。

松本、また厨房に戻る。

悠斗、池本、真彩、優衣、グラスを持ち、乾杯する。

真彩「あぁー、美味しいー!」

優衣「冷えてて美味しいー!」

真彩と優衣、満足気。

優衣「で? 悠ちゃんはどうする気?」

悠斗「はぁ? どうするも何も、そんなの、断るに決まってるだろ!」

優衣「えぇー、でも、人助けだと思って、お願い。自分一人で育てるから、迷惑は絶対に掛けないから……って言われたら、喜んでする人もいるだろうね」

悠斗の顔が強張っている。

優衣「ねぇ、その先輩ってどんな感じの人?」

池本「どんな感じ? あぁ、綺麗な人だよ。賢いし。俺、憧れてたから」

優衣「えぇ? じゃー、池もっちゃんが精子、提供するとか?」

池本「それがさぁー、先輩、やっぱり悠斗が良いんだってさ。だから、俺、振られたの」

真彩(心の声)「あー気分、悪!」

優衣「ふーん……私には絶対無理だわ。一人で子どもを育てるなんて。あれっ? でも、結局は、悠ちゃんとそういう関係もって、悠ちゃんとの子が欲しいって事じゃないの?!」
と言って、優衣、悠斗の顔を見る。

悠斗、チラチラと真彩の顔色を伺っている。

悠斗(心の声)「真彩、怒ってるだろうな……家に帰って、口、利いてくれるかな?」



【高槻レオマンション・806号室】

家に帰るや否や、真彩が先に洗面所に行き、石鹸で手を洗い、うがいをする。

そして、悠斗の顔を見て、
真彩「悠斗のバカ!」
と言って、自分の部屋に行く真彩。

悠斗(心の声)「?……やっぱりこうなるよな……」

悠斗も石鹸で手を洗い、うがいをして、自分の部屋に行く。

悠斗(心の声)「やっぱり真彩、怒ってる……はぁ……あれっ? 何で俺が怒られないといけないんだ?! 俺、何にも悪い事してないのに……」

真彩、部屋から出て来て、バスルームでシャワーを掛かる。
そして、歯を磨いて、自分の部屋に行く。

真彩がバスルームを出ると、悠斗もシャワーを掛かりに行く。

悠斗(心の声)「こうなったら、真彩が参ったって言うまで、やるしかないか……」

悠斗、シャワーを了え、身体を拭き、バスタオルを腰に巻く。

そして、真彩の部屋に行く。



【真彩の部屋】

真彩、ベッドの上に座り、スマホを見ている。

真彩は、心を切り替え、仕事モードで明日のスケジュールを確認している。

真彩(心の声)「朝一に高槻店に行かないとなぁー……」


『トントン』とノックする音。

そして悠斗が部屋に入って来る。

悠斗、真彩の所に来て、顔を覗く。

そして、
悠斗「真彩。愛してるよ」
と言って、真彩を押し倒す悠斗。

悠斗「俺は真彩のものだからな。真彩以外の人とは、絶対に交わらないから、安心して?」

真彩「?……」

しかし、真彩、ふてているので、何も応えようとはしない。

真彩(心の声)「分かってるよ、そんな事。でも、何か腹が立つんだよね……」

すると悠斗、真彩のパジャマを脱がそうとする。

真彩「ヤダッ!」
と言って、わざと抵抗する真彩。

すると悠斗、真彩の顎を持ち、強引に唇にキスをする。

悠斗「真彩のジェラシー、凄く感じてる。ごめんね、嫌な想いさせちゃって……」
と言うと、真彩の首筋を愛撫し出す悠斗。

悠斗、真彩のパジャマと下着を脱がせて、真彩を全裸にする。

そして、真彩の乳房をしゃぶる悠斗。

その後、時間を掛けて、真彩の身体をおでこから足先まで優しく、愛情込めて愛撫する悠斗。

真彩、悠斗の愛撫に身体が反応している。

悠斗の行為を、じっと見詰めている真彩。

女性器を愛撫されると、真彩、つい声が出てしまう。

真彩「……あぁ……」

真彩、感じ入り、腰が動く。

悠斗「真彩、愛してるよ」
と言って、真彩の顔を見る悠斗。

真彩、目を閉じ、悠斗の温かい愛を感じている。

真彩(心の声)「悠斗は私しか愛せないって、分かり切った事なのに……私の嫉妬には困ったもんだ……ゴメンね、悠斗」

悠斗、長い時間、真彩を感じさせている。

そして真彩、オーガズムに達し、
真彩「悠斗、感じた……」
と悠斗に言う。

真彩を快感快楽の世界へと導いた悠斗。

悠斗(心の声)「ヤッター、真彩を喜ばせた」

すると悠斗、避妊具をサイドテーブルの引き出しから取り出し、装着する。

そして、真彩の女性器の膣に、悠斗の陰茎を挿入する。

真彩も悠斗を喜ばそうと、膣内の筋肉を収縮させ、悠斗の男性器を圧迫している。

悠斗、真彩とのフィット感が増し、最高の快感を得ている。

悠斗と真彩、腰を動かし、刺激を与えあっている。

やがて、動きが激しくなり、オーガズムに達する悠斗。

悠斗「……うぅ……」

悠斗、遣り切った感があり、満足気。

そして、悠斗と真彩、エネルギーを使い果たしたかの様な状態になる。

真彩「悠斗……大好き」
と言って、悠斗の乳首を口に含み、舌で転がす真彩。

すると悠斗、
悠斗「真彩、大好きだよ」
と言って、微笑む悠斗。

真彩(心の声)「あぁ、悠斗に愛されて幸せな私……」



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