第71話 結婚?

文字数 3,893文字

【高槻レオマンション・806号室】

夜、悠斗の部屋のベッドで横になって見詰め合う、全裸の悠斗と真彩。

悠斗は、真彩の乳首を指でツンツンしたり、胸を揉んだりしながら、
悠斗「真彩に拒否られてずっと寂しかったんだからな!」
と、ちょっといじけた感じで言う悠斗。

真彩「まだ言う? かなり根に持ってるね……」
と言って、微笑む真彩。

悠斗「あぁ、根に持ってるよ。お前って、ホント、強情で頑固だもんな……」

真彩「強情で頑固?」

悠斗「えぇ? 自覚ないの? ホント、困ったもんだ……」

真彩「?……」

悠斗、微笑む。

真彩「私も寂しかったよ。夜になったら特にね……」

悠斗「ホントにもう……何でも自分で抱え込むからこうなったんだぞ?! これからはちゃんと口に出して俺に言うんだぞ!」

真彩「……うん……」

悠斗「二人で考えたら何とかなるんだから。絶対乗り越えられるんだから。それに、俺達、大人になったんだから、親の干渉なしで自分達で決めれるんだからな。未成年の時とは違うんだから」

真彩「……うん……」

真彩、悠斗に抱きつく。

悠斗「あぁ、ねぇ、夜中の十一時頃って、いつもここ、疼かなかった?」
と言って、真彩の股間に手を当てる悠斗。

真彩「えっ?……あぁ、その位の時間、よく疼いた。胸も張る事あった。何で知ってるの?」

悠斗「俺、その時間に、真彩の裸思い出して、真彩とエアーセックスしてたから」

真彩「あぁ……成程ね。だからか……」

真彩(心の声)「悠斗、その時間にmasturbationしてたんだ……」

悠斗「真彩も、同じだろ? 俺としてただろ? 俺とのセックス、思い出しながらしてただろ?」

真彩(心の声)「ドキッ。そんな恥ずかしい事、何で聞く? デリカシー無いなぁー」

真彩「さぁね」

悠斗「もうー、素直じゃないなぁー。Masturbationは、脳内物質の愛情・幸せホルモンのオキシトシンが分泌されるから、優しい気持ちになったり、幸福感が高まってストレス緩和されるんだぞ?! 何にも恥ずかしがる事ないよ」

真彩「女子は男子と違って恥ずかしいの!」

悠斗「ふーん……」

真彩(心の声)「もう、ホント、悠斗ってデリカシー無いんだから……」

真彩「あれっ? 自分でしない人はどうなる???」

悠斗「うーん、自分でしなかったら、風俗に行ったり、女の子に求めるか、我慢するか、そういう事に興味ないかだな。あぁ、でも女性の場合は、女性用の風俗使うのって、中々、難しいよな」

真彩「うん、難しいよ。そんなの利用してバレたら、周りに変な目で見られるだろうし、もし結婚とかしてたら浮気したと思われて、喧嘩になって、離婚に繋がるよね……」

悠斗「あぁ、俺も真彩がそんなの利用したら絶対嫌だもんなぁー……俺以外の奴が真彩の裸触るなんて、想像しただけでも耐えられんわ。まして、多分、あんな事されるだろ? で、真彩、感じて喜ぶ訳だろ?」

真彩「ちょっと、もうー、何想像してんの?!」

悠斗「あぁー、想像するのもヤダヤダ」

真彩「でも、考えてみたら、売春行為、スレスレだよね……そこの境目って難しいね……」
と言って、真彩、じっと考えている。

悠斗「おい、今、想像してるだろ?!」

すると、真彩、悠斗の目を見て、
真彩「分かる?……想像してる。今、されてる。初めて会った男性に……」
と言って、微笑む。

悠斗「誰だよそいつ! ぶん殴ってやる!」

真彩「ふふっ……」

悠斗の反応を見て面白がる真彩。

悠斗「あのなぁー。絶―対、そんなの利用するなよ?! 利用したら怒るからな!」

真彩「バーカ。利用する訳ないでしょ?! 満足させてくれる人が横にいるのに。私より悠斗でしょ?! 風俗とか、絶対に行かないでよ?!」

悠斗「バーカ、行く訳ないだろ。俺、知らない女性と交わりたくないし、指名するなら真彩しか嫌だもん」
と言って悠斗、真彩に微笑む。

悠斗「あのさー、もし、身体が欲して、して欲しい時はいつでも遠慮なく俺に言えよ?!」

真彩「ふふっ……じゃー、して欲しい時は、『して?』って言うね!」

悠斗「おぅ。毎日でもしてやっからな……」
と言って、悠斗、真彩に微笑む。

真彩「でも、風俗って、料金、高いだろうね……」

悠斗「うん、間違いなく高いだろうね……行った事ないから分からんけど……」

真彩「そう考えたら、恋人もだけど、結婚したら料金払わずにタダでセックスしてる訳だ」

悠斗「あぁ、そうだな……ウィンウィンな関係だよな」
悠斗、微笑む。

真彩(心の声)「なんちゅう会話だ?(笑)」

真彩「でもどっちかがセックスしたくないんだったら、ウィンウィンじゃないよ?」

悠斗「あぁ、そうか……」

真彩「最近は、セックスレスが問題になってるし……」

悠斗「結局、脳からの指令だから、色んな要因があっての事だろうから、中々、難しい問題だよな」

真彩「うん……デリケートな問題だよね」

悠斗「ねぇ、真彩……結婚しよ?」

真彩「えっ?」

悠斗「タダでセックス出来て、タダでエクスタシー感じれる結婚!」
と言って、悠斗、笑う。

真彩「はぁ?……」
真彩、悠斗の目を見る。

真彩「もうー、変な冗談止めてよ!」

悠斗「いや、本気。結婚しよ?」

真彩「この流れで言う? タダでエクスタシー感じたい為の結婚?」
真彩、笑いながら言う。

悠斗「それは冗談だけど、結婚はマジで言ってるから! 真彩と早く結婚したい。あぁ、別に市役所に婚姻届けなんて、出さないよ?! 真正寺でみ仏様に認めて頂くんだ。誓いを立てるんだ」
悠斗、真剣な顔になる。

真彩「あのー、本気で言ってるのなら、本気で聞くけど……私なんかで良いの?」

悠斗「んん? 良いに決まってるだろ。こんなに、こんなに真彩の事、一途に愛してるのに。赤ちゃんの時からずーっと真彩を愛してるのに。逆に何でそんな事、聞く?」

真彩「だって……私、綺麗じゃないし、汚い心だから。悠斗の元カノさん達、皆んな綺麗な人ばかりだし……」

悠斗「はぁ? 何言ってんの? あのねー、真彩は綺麗だよ! 真彩はナンバーワンに決まってるだろ!」

真彩「あぁ、そんなお世辞言わなくて良いから。私、素直で清らかな心とは真逆の、不浄の人間だもん。鏡みたら、自分の顔が鬼みたいな時あるし、歪んでたりして怖くなる時あるもん。それに比べて、悠斗はいつも綺麗な心だから、私、恥ずかしくて……」

悠斗「えぇ? 真彩、何か勘違いしてるわ」

真彩「?……」

悠斗「自分の顔がそんな風に見える時って、怒ったり人を責めたりして汚い心の時じゃない? 俺もそんな時あるから」

真彩「えっ? 悠斗も?」

悠斗「でも、それは自分だけそう見えるのであって、他人はそんなの見えないよ。自分の脳が創り出すんだよ。だから、俺から見て、真彩の顔が歪んで見えた事なんて、一度も無いよ?! 俺に腹立てて怒ってる時も、真彩は可愛い顔してるもん」

真彩「えぇ? そうなの?」

悠斗「ああ。真彩は綺麗だよ。だってこの前、駅のコンビニの前で男と親し気に話してた時、俺、横通ったんだけど、横顔の真彩、綺麗だったから、思わず見惚れたもん」

真彩「えぇ? あぁ、あの時か……悠斗が横通ったなんて、気付かなかった。あぁ、でも、マスクしてたし、それに横顔なのに……よく言うよ!」

悠斗「マスクしてても、横顔でも、鼻筋、目の開きで綺麗だって分かるよ?! だって、俺、ドキドキしたもん」
と言って微笑む悠斗。

真彩「?……」   
真彩、納得いかない顔をしている。

悠斗「あぁ、だからいつもマスク着けてるんだな? 顔に自信なかったんだ……」

真彩「うん。コンプレックスあるから。恥ずかしいもん。カチンと来た時なんて、絶対に酷い顔になってると思うから……」

悠斗「あのー、俺の心、綺麗って言ったけどさー、俺、そんな綺麗な心してないから。煩悩の塊だよ?! いっつも変なこと考えて、妄想してるもんね……」

真彩「えっ? 変な事? どんな妄想してるの?」

悠斗「聞きたい?」

真彩「うん。嫌でなければ……」

悠斗「へへっ、真彩のヌード姿。俺とエッチしてるところ」
と言って、微笑む悠斗。

真彩「嘘でしょ?」
真彩、悠斗の言葉に驚く。

悠斗「あぁ、今、頭の中で真彩を犯してる。嫌がる真彩を四つん這いにさせて後ろから攻めてる最中……あぁ、真彩、悶えてる……」
   
悠斗、目を瞑りながら妄想している。

真彩「えぇー?……じゃー、じーっと私のこと見てたのって、そんな事、妄想しながら見てたの?」

悠斗「そうだよ。真彩、可愛いなぁ……って思いながら、真彩の全裸、頭に浮かべてた」

真彩「呆れた……」
真彩、悠斗の言葉に呆れ顔。

悠斗「男って皆んなすけべなんだよ!」
と言って、自分の鼻を真彩の鼻にくっつける。

悠斗「真彩がツンツンしてる時なんて、特に燃えたよ」

真彩「何て妄想力豊かなの? 小説書けるね」

悠斗「あぁ、真彩との恋愛小説書けるよ。でも、濡れ場だらけの官能小説になっちゃうけどね」
と、言って笑う悠斗。

真彩、悠斗を見て、呆れ顔。

悠斗「俺は、真彩に童貞捧げた時から、ずーっと真彩しか愛せない身体になっちゃったから。お前の責任だぞ?! お前が可愛過ぎるからだぞ! 俺の人生、どうしてくれる? 最後まで責任取れよ?!」
と言い、悠斗、微笑む。

真彩「えぇー?……責任って……悠斗が襲って来たのに? 私、あの時、彼氏いたのに……相思相愛だったのに……」
と言うと、真彩、睡魔が襲って来て、目を閉じ、眠りにつく。

悠斗「えっ?……初耳なんですけど?」
悠斗、真彩の言葉に呆然となる。

悠斗「えっ?……真彩ちゃん……寝ちゃったの? マーヤちゃん!」
寝息を立てて眠っている真彩。

悠斗、真彩の顔をじっと見詰める。

真彩の頬に、自分の頬を摺り寄せる悠斗。
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