第102話 山下店長、幻の恋
文字数 1,546文字
【ハーモニー社・茨木店カフェ】
茨木店カフェに来ている真彩。
仕事を終え、今、プライベート時間となり、紅茶を飲んでいる。
店長の山下、いつもとは様子が変なので、真彩、ちらちらと山下の様子を伺っている。
山下、何かを考えている様子なので、真彩、こっそり山下の背後に回る。
真彩「悩み事?」
と、山下の耳元で、囁く様に言う真彩。
山下、真彩の不意討ちに驚く。
山下「あぁ、すいません……」
真彩、山下の目をじっと見る。
真彩「ちょっと事務所で話しません?」
山下「あぁ、はい……」
【茨木店カフェ・事務所】
事務所のテーブルを挟んで、向かい合って座る真彩と山下。
真彩「で、どうしました?」
山下「あぁ……あの、プライベートな事なんで、こんな事、社長に言って良いのかどうか……なんですけど……」
真彩「じゃー、仕事の関係抜きで、友達として喋って? 私で何か役に立つ事あるかもしれないから」
山下「あぁ……」
山下、口をつぐんでいる。
すると、口調を変えて、友達に言う様に、
真彩「ねぇ、祥太、何悩んでんの? 吐き出したら楽になるよ? 私、祥太の事、心配なんだよね」
と、人懐っこい感じで言う真彩。
山下「えっ……あぁ……すいません、心配して頂いて……」
山下、真彩に頭を下げる。
山下「あのー、実は、半年前に高校時代の同窓会があって……で、高校時代、マドンナ的存在だった子が話し掛けて来て……」
真彩「ほぅ……」
山下「彼女とLINE交換して、連絡取り合う様になって……」
真彩「……」
山下「彼女の身の上話、聞くようになって……ご両親が交通事故で一年前亡くなって、一人っ子だから天涯孤独になって寂しい思いしてるって……で、自殺しようとしたんだそうです」
真彩「成程……」
山下「俺、彼女が自殺しないか心配で……」
真彩、山下の顔をじっと見る。
真彩「ねぇ、祥太」
山下「はい」
真彩「ひょっとして、その子にお金渡してない?」
山下「えっ?……あぁ、はい。生活苦しいって言ったから、ちょっとずつですけど、会う度に渡してます」
真彩「あの、祥太、聞き難いんだけど、その子と肉体関係、持った?」
山下「えっ?……いえ、それは……ないです」
真彩「じゃー、手ぐらいは握った?」
山下「いえ、それもないです。あぁ、恥ずかしい話、キスしようとしたら、拒否られて、それから連絡取れなくなって……」
真彩「はぁ……」
と真彩、溜息をつく。
真彩「あのね、祥太、あんた騙されてるよ?!」
山下「えっ???」
真彩「あぁ、これ、私の直感だけどね」
山下「いや、そんなこと無いです。彼女に限って……それに、本当に自殺の痕跡あるんですよ?! 左手首に……」
すると真彩、
真彩「ふーん……」
と言って、自分の左手首を山下に見せる。
真彩「こんなの?」
山下「えっ?……」
山下、驚く。
真彩「これ見て可哀想に思ったんだ」
山下「あぁ……はい……」
真彩「分かった。じゃー、確かめてあげる。そういうの専門の友達いるから!」
山下「いやいや、止めて下さい。もし俺が彼女を疑ってるって知られたら、嫌われますから」
すると真彩、右手でテーブルを叩く。
真彩「疑いなさい! 嫌われても、疑いなさい! 良い人に見えても、人は善と悪の両方の心を持ってるんです。生活環境によって、悪の心が勝ってしまう人もいるんですよ?!」
山下、真彩の迫力ある言葉に、おののく。
真彩「お金の貸し借りはしてはいけません。困った時は市役所に行って生活保護の申請するとか、そういう事を手伝うのは良いけど、お金の貸し借りはダメです。相手を堕落させます。相手の為にもならないんですよ?! 情に流されちゃーダメです!」
真彩、真剣な顔で言う。
そして、じっと山下を見詰める真彩。
山下、真彩に見詰められ、ドギマギする。
そして、
山下「はい……」
と言って、しょげる山下。
茨木店カフェに来ている真彩。
仕事を終え、今、プライベート時間となり、紅茶を飲んでいる。
店長の山下、いつもとは様子が変なので、真彩、ちらちらと山下の様子を伺っている。
山下、何かを考えている様子なので、真彩、こっそり山下の背後に回る。
真彩「悩み事?」
と、山下の耳元で、囁く様に言う真彩。
山下、真彩の不意討ちに驚く。
山下「あぁ、すいません……」
真彩、山下の目をじっと見る。
真彩「ちょっと事務所で話しません?」
山下「あぁ、はい……」
【茨木店カフェ・事務所】
事務所のテーブルを挟んで、向かい合って座る真彩と山下。
真彩「で、どうしました?」
山下「あぁ……あの、プライベートな事なんで、こんな事、社長に言って良いのかどうか……なんですけど……」
真彩「じゃー、仕事の関係抜きで、友達として喋って? 私で何か役に立つ事あるかもしれないから」
山下「あぁ……」
山下、口をつぐんでいる。
すると、口調を変えて、友達に言う様に、
真彩「ねぇ、祥太、何悩んでんの? 吐き出したら楽になるよ? 私、祥太の事、心配なんだよね」
と、人懐っこい感じで言う真彩。
山下「えっ……あぁ……すいません、心配して頂いて……」
山下、真彩に頭を下げる。
山下「あのー、実は、半年前に高校時代の同窓会があって……で、高校時代、マドンナ的存在だった子が話し掛けて来て……」
真彩「ほぅ……」
山下「彼女とLINE交換して、連絡取り合う様になって……」
真彩「……」
山下「彼女の身の上話、聞くようになって……ご両親が交通事故で一年前亡くなって、一人っ子だから天涯孤独になって寂しい思いしてるって……で、自殺しようとしたんだそうです」
真彩「成程……」
山下「俺、彼女が自殺しないか心配で……」
真彩、山下の顔をじっと見る。
真彩「ねぇ、祥太」
山下「はい」
真彩「ひょっとして、その子にお金渡してない?」
山下「えっ?……あぁ、はい。生活苦しいって言ったから、ちょっとずつですけど、会う度に渡してます」
真彩「あの、祥太、聞き難いんだけど、その子と肉体関係、持った?」
山下「えっ?……いえ、それは……ないです」
真彩「じゃー、手ぐらいは握った?」
山下「いえ、それもないです。あぁ、恥ずかしい話、キスしようとしたら、拒否られて、それから連絡取れなくなって……」
真彩「はぁ……」
と真彩、溜息をつく。
真彩「あのね、祥太、あんた騙されてるよ?!」
山下「えっ???」
真彩「あぁ、これ、私の直感だけどね」
山下「いや、そんなこと無いです。彼女に限って……それに、本当に自殺の痕跡あるんですよ?! 左手首に……」
すると真彩、
真彩「ふーん……」
と言って、自分の左手首を山下に見せる。
真彩「こんなの?」
山下「えっ?……」
山下、驚く。
真彩「これ見て可哀想に思ったんだ」
山下「あぁ……はい……」
真彩「分かった。じゃー、確かめてあげる。そういうの専門の友達いるから!」
山下「いやいや、止めて下さい。もし俺が彼女を疑ってるって知られたら、嫌われますから」
すると真彩、右手でテーブルを叩く。
真彩「疑いなさい! 嫌われても、疑いなさい! 良い人に見えても、人は善と悪の両方の心を持ってるんです。生活環境によって、悪の心が勝ってしまう人もいるんですよ?!」
山下、真彩の迫力ある言葉に、おののく。
真彩「お金の貸し借りはしてはいけません。困った時は市役所に行って生活保護の申請するとか、そういう事を手伝うのは良いけど、お金の貸し借りはダメです。相手を堕落させます。相手の為にもならないんですよ?! 情に流されちゃーダメです!」
真彩、真剣な顔で言う。
そして、じっと山下を見詰める真彩。
山下、真彩に見詰められ、ドギマギする。
そして、
山下「はい……」
と言って、しょげる山下。
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