第104話 恋愛詐欺?  

文字数 1,051文字

【ハーモニー社・社長室】

朝から会議で、疲れた表情の真彩。 

優衣、真彩の事を心配し、ちらちら真彩を見る。

優衣「あのー、最近、何か、悩んでる?」

真彩「えっ?……」

優衣「この三日間、口数が少なくて、何か考えてるみたいだから……」

真彩「えっ? あぁ……今度の休みに滋賀に行って、決着付けるつもり」

優衣「えっ?……決着って? 何か、重大な事?」

真彩「うん……あの、他言しないでくれる?」

優衣「はい、勿論」

真彩「実はね……」
と、優衣に事の次第を話し始める。

     ×  ×  ×

優衣「そうなんだ……山下店長、優しくて良い人だから、何か可哀想。でも、酷いね、その女。結婚詐欺の一歩手前だよね……っていうか、お金取られてる訳だから、恋愛詐欺ジャン」

真彩「うん。れっきとした詐欺だよ。だから、警察に被害届出したり刑事告訴って手があるけど、先ずは、その女に会って、事情を聞いてからにしようと思って……」

優衣「わぁ……大変だ……」

真彩「大変なんだけど、それよりも、山下さんがこれを機に女性不信にならないか心配。トラウマにならないといいんだけど……下手したら、女性不信で結婚出来なくなる可能性あるし……彼の今後の人生に大きな影響及ぼすからなぁ……」

優衣「あぁ、でも、大丈夫なの? そんな犯罪者の所に行くなんて……怖いんだけど……」

真彩「あぁ、悠斗が運転して連れてってくれるって。で、ボディーガードもしてくれるから、大丈夫だと思う。もし、怖い連中だったり、組織犯罪だったら、直ぐ、警察、呼ぶし」

優衣「あぁ、その女の住所、教えて? もしもの時、直ぐに対応出来る様に手配するから」

真彩「有難う。でも、多分なんだけど、話し合って、お金返して貰ったら、それで済むと思う」

優衣「ホント? そうなって欲しいけど……」
   
真彩、デスクの引き出しに入れてある資料を優衣に見せる。

優衣、その資料に目を通す。

優衣「素行調査、ちゃんとしたんだね?」

真彩「うん。友達が探偵してるから。さっき、添付ファイル送ってくれたのをプリントアウトしたの。これ見る限りでは、一般サラリーマンの奥さんなんだよね。反社会的勢力とは無縁な感じ。でも、表向きはそれでも、裏は分からないから気を付けるけど……」

優衣「えぇー、でも、サラリーマンの奥さんが、こんな恋愛詐欺なんて、する? 普通……」

真彩「まぁ、何らかの事情があったんだろうね。でも、人を騙すのは絶対、ダメだよ。他人の人生を大きく狂わす訳だし、それに、人を騙して自分が幸せになれる訳ないもんね」

優衣「だよね……」
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