第112話 ドイツフェス大成功

文字数 1,707文字

【ハーモニー社・豊中店カフェ・事務所】

豊中店カフェに来ている、ハーモニー社・社長の中村真彩と、秘書の髙橋優衣。

奥の事務所で椅子に座って、豊中店カフェの秋田店長と話をしている。


真彩「ドイツフェス、大成功だったね! 良かった、良かった」

秋田「はい。大成功で良かったです」
と、嬉しそうな顔で言う秋田。

真彩「よく頑張りました!」
と言って、真彩、秋田を労い、微笑む。

優衣も微笑んでいる。

秋田「有難うございます! 全て社長のお蔭です」

真彩「いやいや、私は何にもしてないよ!」

秋田「いえ、YouTube 番組やインスタで宣伝して下さったり、仕入れ価格の交渉もして下さったお蔭で、最低価格で仕入れる事が出来ましたから」

真彩「そんなの当然だよ。それより、一生懸命、企画考えて、実行に移してくれた秋田店長始め、スタッフの皆さんのお蔭だよ。あぁ、お客様もね!」

秋田「あぁ、それに、MCして場を盛り上げて下さって、『あひるのダンス』なんて、皆んな笑顔で踊ってくれて、最高に楽しかったです。あと、ビンゴゲームも加えて下さって、盛り上がりましたから……」

真彩「まぁ、お客様に楽しんで貰おうと思ったら、先ずは自分達が楽しまないと伝わらないからね。自分がこんな事をしてくれたら嬉しいなって事を提案しただけだよ」

秋田「はい。自分達も楽しみました。それに、『チケット制にしたら?』って案を出して下さって、それの売り上げ、大きいです」
と言って、微笑む秋田。

真彩「それは良かった」
と言って、真彩も微笑む。

真彩「しかし、オクトーバーフェストと合体させて演出なんて、Good idea だよ」

優衣「ホントです。ドイツのビールを提供するだけでなく、ソーセージやジャーマンポテトとかも提供して、大人気でしたし、お店のイルミネーションも綺麗で、素晴らしい演出でしたね」

真彩「うん。それに、ドイツの伝統的な衣装をスタッフが着てるのも、雰囲気が出て、これも Good idea だったよ!」

秋田「あぁ、衣装を着るアイディアは、岡田さんが提案してくれたんです。どうせ遣るなら、ドイツの雰囲気、出しませんか?……って言ってくれて」

真彩「そうなんだ。素晴らしい」

秋田「あぁ、それに、バンド演奏も楽しい雰囲気になって、良かったです」

真彩「あぁ、友達のお店で、よく演奏するバンドに頼んだら、皆んな快く引き受けてくれたから、有難かったわ」

秋田「出演料があんなに安くて良いのかと思っちゃいましたけど……」

真彩「あぁ、彼らは、そんなの望んでないみたい。只、仲間と一緒に演奏出来て、自分達の音楽を人に聴いて貰ったら、それで満足なんだってさー」

優衣「演奏終わってから、ちゃんと食事やビールも用意したから、喜んでくれましたしね」

真彩「でも、二週間も開催してたから、大変だったね」

秋田「あぁ、当初、新しい事に挑戦だったので、本当に大丈夫か? また、赤字にならないか?……って、自問自答して、不安で心が押し潰されそうでしたけど……」

真彩「……」

秋田「でも、岡田さんが、『店長、頑張りましょう! チャレンジ、チャレンジ!』って、社長の影響受けて凄い前向きなんで、背中押して貰って、何とか二週間、楽しく頑張れました」

優衣「へーぇ、岡田さんって、凄いパワーある人なんですね」

秋田「はい。やっぱり、女性は強くて凄いなぁーって思いました」

顔を見合わせ、微笑む真彩と優衣。

秋田「あぁ、でも、社長目当ての人が多かったので、ビックリです」

真彩「んん?……」

秋田「社長が、毎日、お忙しい中、来て下さったので、社長が来て下さる時間帯、人がどっと多くなりましたから……」

真彩「えぇ? そうなの?」

秋田「はい。YouTube 番組やSNSを見て来たって方が多いです」

真彩「へーぇ、宣伝効果、あったんだ……」

秋田「えっ、ひょっとして、チャンネル登録者数とか、見て無いんですか?」

真彩「あぁ、チャンネル自体、見てないし……」

秋田「えぇー?!」
秋田、驚いた顔をする。

秋田「あの、社長のチャンネル登録者数、半端ないですよ?! 凄い人数ですよ?!」

真彩「そうなの? じゃー、広告塔の役割、果たせてるんだ。良かった」

真彩、微笑む。






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