第134話 秋田の恋
文字数 2,927文字
【高槻レオマンション・806号室】
朝早く、真彩、目が覚める。
そして、隣で寝ている悠斗を見る。
真彩(心の声)「悠斗……男前だなぁー。何でこんなにカッコイイの? 私一人で独占しちゃって、世の女性達に申し訳ないなぁー。あぁ、でも、誰にも渡さない。悠斗は私だけのもの。悠斗は私しか愛せないなんて……何て贅沢な私……幸せ過ぎるよね」
真彩、悠斗の顔を眺めて微笑んでいる。
そして真彩、悠斗の唇にキスをし、悠斗に抱き着く。
真彩、そのまま、また眠りにつく。
悠斗、しばらくして目が覚める。
そして、悠斗に抱き着いている真彩を見る。
悠斗(心の声)「真彩……可愛いなぁー。俺の天使。真彩は俺だけのもの。あぁ、何て贅沢なんだ。俺、幸せ過ぎるー」
悠斗、真彩をじっと見詰め、微笑んでいる。
【ハーモニー社・豊中店カフェ】
クリスマスを前に、真彩と優衣、豊中店カフェに来ている。
前回来た際、店長である秋田の心が何だかソワソワして、落ち着きがない様に真彩は感じていた。
秋田の周りに人が居ない時を見計らって、真彩が秋田に話し掛ける。
真彩「ねぇ、秋田さん、何かあった?」
秋田「えっ?」
と言って、真彩の突然の言葉に驚く秋田。
秋田「えぇーっと……」
と言って、秋田、真彩の質問の真意が分からず、考えている。
真彩「何か、ソワソワしてる感じがしたもんでね。あぁ、言いたくないなら、言わなくて良いから」
と、微笑み、優衣の居る方に歩き出そうとする。
すると、
秋田「あぁ、あの、仕事の事じゃなくて、個人的な事でして……」
と、真彩に言う。
真彩、秋田の言葉に、振り返る。
すると秋田、真彩の目を見て、
秋田「あの……後でお時間頂いても良いですか?」
と尋ねる。
真彩「んん? 今、大丈夫だよ。実は、今日は秋田さんの事が心配で来たんだよね」
と言って、微笑む真彩。
秋田「えぇー、そうなんですか? わぁー、ご心配お掛けてしてすいません……」
真彩「外のテーブル席、行こうか?!」
秋田「はい」
と、素直に返事をする秋田。
真彩と秋田、外のテーブル席に座って話をしている。
秋田「あのー、ホントに恥ずかしい話なんですけど……」
と言うが、言葉が中々出ず、口を噤む秋田。
真彩「?……」
秋田が喋り出すまで黙っている真彩。
真彩(心の声)「女か……秋田さんってピュアな人なんだな……女性と付き合った経験、無いみたいだな」
秋田「えーっと……」
秋田がモジモジしているので、
真彩「好きな人でも出来たの?」
と、秋田にズバッと聞く真彩。
真彩の言った事が図星の様で、秋田、驚いた顔をする。
そして、頷く秋田。
真彩「やっぱりそうなんだ」
秋田「はい……そうなんです」
真彩「秋田さんは、女きょうだい、いなかったよね?」
秋田「あぁ、はい。兄がいるだけです」
真彩「じゃー、女性の扱い、分からないよね」
秋田「あぁ、はい、そうなんです。実は、小学生の時、女性恐怖症になった経験があって……」
真彩「成程」
秋田「えぇ、あの、女のきょうだいがいると、大分、違いますか?」
真彩「あぁ、うん、全然違うと思う。だって、男兄弟だけなら、女性に対する免疫がないから、接し方がよく分からないでしょ? 話題も思い付かないと思うし」
秋田「あぁ……」
真彩「どういう事を言ったら女性が喜んで、どういう事を言ったら女性は怒るかとか、全然分からないでしょ?」
秋田「あぁ、はい、そうなんです。接し方、分からないし、どんな話題が良いのか、全然、分からないもんで、どうしようかと思って……」
真彩「相手の女性はどんな人?」
秋田「あぁ、まだよく分からないんです。この前、先輩に紹介して貰って、一回会っただけなんで。先輩の彼女の友達だそうです」
真彩「そうなんだ」
秋田「で、今度の休み、初デートなんです。でも、デート、どうしたら良いのか、悩んじゃって……」
真彩「あららっ、楽しみより不安が先か……」
秋田「はい。いい歳して、お恥ずかしいです」
真彩「恥ずかしがる事なんてないよ。ねぇ、その人、男兄弟いるのかな?」
秋田「あぁ、お兄さんがいるそうです」
真彩「じゃー、その人、結構、サバサバした感じじゃない?」
秋田「あぁ、サバサバしてました。だから、好印象でした」
真彩「ふーん。じゃー、変な駆け引きしないから、秋田さんにとっては良いよね」
秋田「えっ?」
真彩「秋田さんって、女女したナヨッとしてネチネチした感じの女性、苦手でしょ?」」
秋田「あっ、はい。よくご存じで……」
真彩「姉妹がいる人だったら女性慣れしてるから、女性との距離感が分かるし、会話も自然な感じで出来るし、女性が喜ぶ様な会話も簡単に出来ると思うんだけど、男兄弟だけの人って、何をどう持って行ったら良いか分からないから、緊張しちゃうよね」
秋田「はい……」
真彩「私の男友達で、女のきょうだいがいない人って、奥手の草食系男子が多いんだよね」
秋田「あぁ、私がそうです……」
真彩「あの、今度デートする女性と上手くやって行く秘訣は、秋田さんが女性に対して、理想を高く持たない事だな。女性を美化しないって事かな?」
秋田「えぇ?!」
真彩「女性の免疫ない人って、何か女性を美化しちゃってる人が多いんだよね。可愛いアニメキャラクターとか美少女キャラを人間の女性に求める人って現実にいるからさぁー」
秋田「あぁ、はい……」
真彩「あと、秋田さん、女性に対しての気配りに欠けると思うから、紳士を心掛けると女性のハートを掴むと思うよ。レディーファーストを心掛ける。日本人女性は紳士に弱いから」
秋田「紳士ですか……」
真彩「あぁ、まぁ、これは私の主観だけどね。日本人男性は、配慮に欠けてるからさぁー」
と言って微笑む真彩。
秋田「えっ、という事は、社長の旦那様も紳士なんですか?」
真彩「旦那? あぁ、うん、紳士だよ。だからモテ過ぎちゃうんだよね。でも、旦那の父親が紳士だから、自動的にそうなるよね。父親の姿を見て育った訳だから」
秋田「そうか……紳士になったらハート掴めるんだ」
真彩「まぁ、一概にそうだとは言えないけど、少なくとも、私は紳士に弱いな。(笑)大体、女性はお姫様扱いしてくれると嬉しいもんだよ。あぁ、でも、これも人によるから一概には言えないけどね」
と言って、ニッコリ笑う真彩。
秋田「お姫様扱いですか……」
真彩「うん、包み込んでくれる様な愛情、包容力がある人を私は好むなぁー」
秋田「成程。勉強になります」
真彩「あぁ、ゴメン。私の好みを言ってもしょうがないか」
と言って笑う真彩。
それに釣られて秋田も笑う。
真彩「まっ、兎に角、当たって砕けろだわ。秋田さんの誠意を見せたら良いと思う。秋田さんは誠実で良い人なんだから。もっと自信を持って?!」
秋田「あぁ、社長に言われると、何だかパワー貰った感じです」
秋田の顔が明るくなる。
真彩「明るいものを感じる。デート、きっと上手く行くよ。大丈夫!」
秋田、真彩の『大丈夫』という言葉に安心する。
秋田「社長が太鼓判押して下さるから、自信に繋がりました。頑張ります!」
真彩「いやいや、頑張らなくて良いから。笑顔で優しく、誠実に話し掛けるだけで、その女性、きっと喜ぶよ。上手く行く様に祈ってるよ!」
秋田「有難うございます! 祈ってて下さい。お願いします!」
と言って、頭を下げる秋田。
朝早く、真彩、目が覚める。
そして、隣で寝ている悠斗を見る。
真彩(心の声)「悠斗……男前だなぁー。何でこんなにカッコイイの? 私一人で独占しちゃって、世の女性達に申し訳ないなぁー。あぁ、でも、誰にも渡さない。悠斗は私だけのもの。悠斗は私しか愛せないなんて……何て贅沢な私……幸せ過ぎるよね」
真彩、悠斗の顔を眺めて微笑んでいる。
そして真彩、悠斗の唇にキスをし、悠斗に抱き着く。
真彩、そのまま、また眠りにつく。
悠斗、しばらくして目が覚める。
そして、悠斗に抱き着いている真彩を見る。
悠斗(心の声)「真彩……可愛いなぁー。俺の天使。真彩は俺だけのもの。あぁ、何て贅沢なんだ。俺、幸せ過ぎるー」
悠斗、真彩をじっと見詰め、微笑んでいる。
【ハーモニー社・豊中店カフェ】
クリスマスを前に、真彩と優衣、豊中店カフェに来ている。
前回来た際、店長である秋田の心が何だかソワソワして、落ち着きがない様に真彩は感じていた。
秋田の周りに人が居ない時を見計らって、真彩が秋田に話し掛ける。
真彩「ねぇ、秋田さん、何かあった?」
秋田「えっ?」
と言って、真彩の突然の言葉に驚く秋田。
秋田「えぇーっと……」
と言って、秋田、真彩の質問の真意が分からず、考えている。
真彩「何か、ソワソワしてる感じがしたもんでね。あぁ、言いたくないなら、言わなくて良いから」
と、微笑み、優衣の居る方に歩き出そうとする。
すると、
秋田「あぁ、あの、仕事の事じゃなくて、個人的な事でして……」
と、真彩に言う。
真彩、秋田の言葉に、振り返る。
すると秋田、真彩の目を見て、
秋田「あの……後でお時間頂いても良いですか?」
と尋ねる。
真彩「んん? 今、大丈夫だよ。実は、今日は秋田さんの事が心配で来たんだよね」
と言って、微笑む真彩。
秋田「えぇー、そうなんですか? わぁー、ご心配お掛けてしてすいません……」
真彩「外のテーブル席、行こうか?!」
秋田「はい」
と、素直に返事をする秋田。
真彩と秋田、外のテーブル席に座って話をしている。
秋田「あのー、ホントに恥ずかしい話なんですけど……」
と言うが、言葉が中々出ず、口を噤む秋田。
真彩「?……」
秋田が喋り出すまで黙っている真彩。
真彩(心の声)「女か……秋田さんってピュアな人なんだな……女性と付き合った経験、無いみたいだな」
秋田「えーっと……」
秋田がモジモジしているので、
真彩「好きな人でも出来たの?」
と、秋田にズバッと聞く真彩。
真彩の言った事が図星の様で、秋田、驚いた顔をする。
そして、頷く秋田。
真彩「やっぱりそうなんだ」
秋田「はい……そうなんです」
真彩「秋田さんは、女きょうだい、いなかったよね?」
秋田「あぁ、はい。兄がいるだけです」
真彩「じゃー、女性の扱い、分からないよね」
秋田「あぁ、はい、そうなんです。実は、小学生の時、女性恐怖症になった経験があって……」
真彩「成程」
秋田「えぇ、あの、女のきょうだいがいると、大分、違いますか?」
真彩「あぁ、うん、全然違うと思う。だって、男兄弟だけなら、女性に対する免疫がないから、接し方がよく分からないでしょ? 話題も思い付かないと思うし」
秋田「あぁ……」
真彩「どういう事を言ったら女性が喜んで、どういう事を言ったら女性は怒るかとか、全然分からないでしょ?」
秋田「あぁ、はい、そうなんです。接し方、分からないし、どんな話題が良いのか、全然、分からないもんで、どうしようかと思って……」
真彩「相手の女性はどんな人?」
秋田「あぁ、まだよく分からないんです。この前、先輩に紹介して貰って、一回会っただけなんで。先輩の彼女の友達だそうです」
真彩「そうなんだ」
秋田「で、今度の休み、初デートなんです。でも、デート、どうしたら良いのか、悩んじゃって……」
真彩「あららっ、楽しみより不安が先か……」
秋田「はい。いい歳して、お恥ずかしいです」
真彩「恥ずかしがる事なんてないよ。ねぇ、その人、男兄弟いるのかな?」
秋田「あぁ、お兄さんがいるそうです」
真彩「じゃー、その人、結構、サバサバした感じじゃない?」
秋田「あぁ、サバサバしてました。だから、好印象でした」
真彩「ふーん。じゃー、変な駆け引きしないから、秋田さんにとっては良いよね」
秋田「えっ?」
真彩「秋田さんって、女女したナヨッとしてネチネチした感じの女性、苦手でしょ?」」
秋田「あっ、はい。よくご存じで……」
真彩「姉妹がいる人だったら女性慣れしてるから、女性との距離感が分かるし、会話も自然な感じで出来るし、女性が喜ぶ様な会話も簡単に出来ると思うんだけど、男兄弟だけの人って、何をどう持って行ったら良いか分からないから、緊張しちゃうよね」
秋田「はい……」
真彩「私の男友達で、女のきょうだいがいない人って、奥手の草食系男子が多いんだよね」
秋田「あぁ、私がそうです……」
真彩「あの、今度デートする女性と上手くやって行く秘訣は、秋田さんが女性に対して、理想を高く持たない事だな。女性を美化しないって事かな?」
秋田「えぇ?!」
真彩「女性の免疫ない人って、何か女性を美化しちゃってる人が多いんだよね。可愛いアニメキャラクターとか美少女キャラを人間の女性に求める人って現実にいるからさぁー」
秋田「あぁ、はい……」
真彩「あと、秋田さん、女性に対しての気配りに欠けると思うから、紳士を心掛けると女性のハートを掴むと思うよ。レディーファーストを心掛ける。日本人女性は紳士に弱いから」
秋田「紳士ですか……」
真彩「あぁ、まぁ、これは私の主観だけどね。日本人男性は、配慮に欠けてるからさぁー」
と言って微笑む真彩。
秋田「えっ、という事は、社長の旦那様も紳士なんですか?」
真彩「旦那? あぁ、うん、紳士だよ。だからモテ過ぎちゃうんだよね。でも、旦那の父親が紳士だから、自動的にそうなるよね。父親の姿を見て育った訳だから」
秋田「そうか……紳士になったらハート掴めるんだ」
真彩「まぁ、一概にそうだとは言えないけど、少なくとも、私は紳士に弱いな。(笑)大体、女性はお姫様扱いしてくれると嬉しいもんだよ。あぁ、でも、これも人によるから一概には言えないけどね」
と言って、ニッコリ笑う真彩。
秋田「お姫様扱いですか……」
真彩「うん、包み込んでくれる様な愛情、包容力がある人を私は好むなぁー」
秋田「成程。勉強になります」
真彩「あぁ、ゴメン。私の好みを言ってもしょうがないか」
と言って笑う真彩。
それに釣られて秋田も笑う。
真彩「まっ、兎に角、当たって砕けろだわ。秋田さんの誠意を見せたら良いと思う。秋田さんは誠実で良い人なんだから。もっと自信を持って?!」
秋田「あぁ、社長に言われると、何だかパワー貰った感じです」
秋田の顔が明るくなる。
真彩「明るいものを感じる。デート、きっと上手く行くよ。大丈夫!」
秋田、真彩の『大丈夫』という言葉に安心する。
秋田「社長が太鼓判押して下さるから、自信に繋がりました。頑張ります!」
真彩「いやいや、頑張らなくて良いから。笑顔で優しく、誠実に話し掛けるだけで、その女性、きっと喜ぶよ。上手く行く様に祈ってるよ!」
秋田「有難うございます! 祈ってて下さい。お願いします!」
と言って、頭を下げる秋田。
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