おまけ2 星の声

文字数 276文字

夜空に流星群がながれてる
そんな噂をきいて
わたしは夏神殿にある海辺のバルコニーへ出た

ああ、本当に星が流れている

たくさんのきらめきは、昼間の首都キリブの喧騒のようで
静かなのだけど、きらりと瞬きをくりかえすそれが
人が話をしているようで

もう、ここにはいないあの人の声が聞こえてくるのではないかと
耳をすませて目をとじ、星の声をきく

「待っていて」

と聞こえたような気がして
わたしはほほ笑んだ。

もうすぐに、わたしと同じものになろうとしている彼の声だと思って。

一人はさみしいよ。
また君と逢えると分かっていても、寂しくて仕方がない。

はやく、わたしのところへと戻っておいで。




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登場人物紹介

クレス・クレウリー


この世界の最重要職である大神官の息子であり跡取り。

しかし、彼はあまりに重い自分の運命に向き合えずにいる。

レイ


クレスが季節の浮島をめぐる旅の途中で知り合った、とても美しい青年。

基本的に穏やかで、笛が得意。とても中性的な人物。

クレスよりも頭一つ分背が高い。

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