6章-2
文字数 387文字
雄太は、ひょんなことからコマンドメールの送り主であるヨーコに遭遇した。その美少女は、「自分はヨーコではない」とかたくなに否定していたが、「ペニーレイン」なる喫茶店でアルバイトをしていたあの女子高生は明らかにヨーコであった。客も彼女を「ヨーコ」と呼んでいる。
彼女は、「『辛いメモリー抽出マシン』を使えば、辛い思い出を抽出して、それをコーヒー豆にできる」と客に説明をしていた。もっとも、客がその話を信用していないのは明白だった。同調するかのように精一杯薄い笑い顔を作っていたが、目がまったく笑っていなかった。
だが、雄太はヨーコの話を信じた。否、信じようとした。辛い思い出を忘れさせてくれる。そんな機械にすがりたかった。しかし、ヨーコは断じてその機械を自分のために使ってくれようとはしなかった。
消沈しながら店の外に出たとき、また雄太は音を聞いた。
ハラリ。
彼女は、「『辛いメモリー抽出マシン』を使えば、辛い思い出を抽出して、それをコーヒー豆にできる」と客に説明をしていた。もっとも、客がその話を信用していないのは明白だった。同調するかのように精一杯薄い笑い顔を作っていたが、目がまったく笑っていなかった。
だが、雄太はヨーコの話を信じた。否、信じようとした。辛い思い出を忘れさせてくれる。そんな機械にすがりたかった。しかし、ヨーコは断じてその機械を自分のために使ってくれようとはしなかった。
消沈しながら店の外に出たとき、また雄太は音を聞いた。
ハラリ。